第12話

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2023/12/27 15:00
「げ、マルフォイだ」


グレンジャーを追いかけてきたのか、同級生のウィーズリーが大広間から出ようと横を通り過ぎるところだった。振り返った僕の顔を見て苦い表情を浮かべる。僕はそれを見てフン、と鼻を鳴らす。


「愛しいグレンジャーの金魚のフンでもしてるのか?ウィーズリー」
「僕はそんなんじゃない!君こそ、愛しのステラに相手にされなくて寂しい思いしてるんじゃないか?パーシーがよく言ってるよ」
「グリフィンドールの寮監がか?なんて?」
「気になるのか?僕もよく知らないけどね、家族より先になるものってなんだとか、家族みたいって言われることは嬉しくないのか、とか。なんで俺に聞いてくるのかわからないって最近ずっとそればっかりだよ。本人に直接聞けばいいのにって。どうせそんなこと言ったのは君だろう?マルフォイ」


学友というのは短期間でここまで似るものなのか。僕に知らないことがあるのがそんなに嬉しかったのか、つらつらと長話を始めたウィーズリーに、先ほどまでここにいたグレンジャーを重ねる。うんざりした。それをわざとらしく顔に出して、もういい、と遮りスリザリン寮へ向かった。

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