第54話

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2026/02/07 16:44 更新








部屋の空気が、少しずつ落ち着いていった。









「いつから?」



「どこで出会ったの?」



「夢って何!?」






という質問の声もだんだん落ち着く。





JIHYO
JIHYO
とりあえず、食べよ!



ジヒョのその一言で、全員がそれぞれの場所に戻った。






円卓のように置かれたテーブルを囲んで、



TWICEの9人と、あなた。





10人での、少し不思議な食事が始まる。









あなたは背筋を伸ばしたまま、箸を持つ手がぎこちない。


(なまえ)
あなた
(ほんとに……ここに座ってるなんて)



目の前では、ナヨンが豪快に唐揚げを取り、


ツウィが静かにご飯を食べ、


ダヒョンが「これ美味しい!」と声を上げている。





テレビで見るTWICEとは、あまりにも違う日常。







その中で、モモはあなたの隣に座り、時々ちらっとこちらを見るだけで、ほとんど何も言わなかった。



NAYEON
NAYEON
……あ


ナヨンがふと箸を止めた。


NAYEON
NAYEON
そういえばさっきの話


全員の視線が、自然とナヨンに集まる。


NAYEON
NAYEON
サナがさ、『サイン会来てくれたの覚えてる』って言ってたじゃん?



サナは口いっぱいにご飯を入れたまま、もぐもぐしながら頷いた。

SANA
SANA
うん、覚えてんで
NAYEON
NAYEON
いや、それがどういう意味か聞きたいのよ

ナヨンはモモの方を見る。

NAYEON
NAYEON
サナがこのこと言った時のモモの顔が、わかりやすすぎたの笑
MOMO
MOMO
……え

モモの顔が一気に赤くなる。

MOMO
MOMO
な、なにが……



サナは箸を置いて、楽しそうに身を乗り出した。

SANA
SANA
じゃあ話すで?
MOMO
MOMO
ちょ、さーたん——!


あなたは、突然自分の名前が出てきそうな空気に、無意識に背中を正した。





サナは少し思い出すように、天井を見てから話し始める。

SANA
SANA
MISAMOのサイン会の日な


モモが小さく呻く。

MOMO
MOMO
……やめて
SANA
SANA
やめへん

即答だった。


SANA
SANA
その日な、ももりんが異常やってん
MOMO
MOMO
 異常ってなに……
 
SANA
SANA
朝からそわそわして
SANA
SANA
メイク中も落ち着かんで
SANA
SANA
控え室でずっと客席のこと気にしてる
MOMO
MOMO
……
SANA
SANA
『今日、来るかもしれへん』って、何回言ってたと思う?



ナヨンが身を乗り出す。

NAYEON
NAYEON
え、誰のこと?



サナは、ちらっとあなたを見る。

SANA
SANA
……この子


あなたの喉が、きゅっと鳴った。
(なまえ)
あなた
え、私……?
SANA
SANA
せやで



サナは続ける。

SANA
SANA
サイン会始まる前からな?
SANA
SANA
客席見てはため息ついて
SANA
SANA
『まだかな』って言って
MOMO
MOMO
……言ってない!


モモが必死に否定する。


MINA
MINA
言うとったで笑
MINA
MINA
小声で


ミナが静かに追撃する。


MOMO
MOMO
みーたんまで……



サナは笑いながら、さらに続けた。

SANA
SANA
ほんで、会場入った瞬間


サナは、指で視線をなぞるような仕草をする。


SANA
SANA
急に、ピタッて止まって
(なまえ)
あなた
……
SANA
SANA
ももりんの目が、完全に一点固定
SANA
SANA
サイン会中、この子が並んでる方向ばっか見てた



あなたは思わず、顔を両手で覆った。

(なまえ)
あなた
……そんな……


胸の奥が、じんわり熱くなる。


(なまえ)
あなた
(そんなに……気にしてくれてたんだ)
 
SANA
SANA
でな

サナは少し声を落とす。

SANA
SANA
実際に話し始めた瞬間
SANA
SANA
空気、変わってん


全員が静かになる。


SANA
SANA
他の人と全然ちゃう
SANA
SANA
声のトーンも、間も、距離も
 
SANA
SANA
なんか……


サナは言葉を探すようにしてから、ニヤッと笑う。
SANA
SANA
感動の再会、みたいやった笑



モモは完全に顔を伏せている。

MOMO
MOMO
……もう、ほんまやめて
MINA
MINA
やめへん


ジョンヨンが口を挟む。

JEONGYEON
JEONGYEON
つまり?
 


サナははっきり言った。

SANA
SANA
ももりん、あなたちゃんのこと、ずっっと特別扱いやった




沈黙。






あなたは胸がいっぱいになって、言葉を探す。


(なまえ)
あなた
……あの


全員の視線が、あなたに向く。


(なまえ)
あなた
そんなふうに……思ってもらえてたって、知らなくて……


あなたは、少し困ったように笑う。


(なまえ)
あなた
私も……ずっと緊張してて
(なまえ)
あなた
夢の人だ、って思ってたから



モモが、そっと顔を上げる。




視線が合う。




一瞬だけ。


MOMO
MOMO
……お互い様やな


モモが、小さく言った。




その言葉に、あなたの胸が静かに震えた。











作者です!!



やっっと!受験終わりました!




合否とかはまだなんですけど、自分にできることはもうないので、今日からまた、更新していこうと思います!



お気に入り増えててめちゃくちゃ嬉しいです✨




これからもよろしくお願いします!🙇‍♀️


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