事の発端は3年前の小6の時
特殊家庭だった私は両親家に居ないことが昔から多かった
それが、仕事だと思っていたからだ
だが
某日、家の階下で言い争う声がした
久しぶりに聞いた声は真夜中の怒声
どうやら双方不倫らしい
何も感じなかった、愛情なんてものはなかったから
そのまま離婚の末、両親は別のパートナーと再婚
双家族私の預かり拒否
捨て子となった
家に居なかったせいで、お金は溜まったらすぐ使う親たち
水道からは水が出なくなり、ゴミが溜まり
電気もつかなくなった
学校には何年も行ってない
小2のときに学費が払えなくなって、”転校”と称した退学
それから学校にも入学なし
塾にも入っていない、勉強もおろそか
絶望のスタートをきった世間では小6の年齢になった春
それから暮らすのもだんだんと無理になってきて
家にあった最低限の大切なものと
小さいときに親戚から貰った僅かなお年玉を
唯一親から貰ったランドセルにつめて
家出をした
1,2時間ほど走って、歩いて
たどり着いたのは自分は来たことも、見たこともないテーマパーク
人気なのだろうか、たくさん人がいて
私の居た場所が酷すぎたのか、凄く綺麗な場所だった
夢の空間
僅かにあったお金を使って入場
係員さんに不思議な目で見られたが、一旦スルーする
入って、いろんなところを見て周って
最後におみやげと書かれた店に入ったその時
ドカンと耳が裂けるような爆発音
悲鳴、泣き声
何が起きたかわからず、立ち尽くし呆然とする
人波に飲まれて転んだ
目の前の爆発痕を見てしばらくその体勢で止まっていると
声をかけられたが、自身のことで精一杯だったのか
そのまま走り去って逃げる従業員
誰も気にしてくれない
親も居ない、家もどこかわからない
ならば、今
これに巻き込まれて
死ぬのが一番楽なのかと思った
爆発でできた巨大な穴、二度と戻れなさそうな穴に近づいて
足を踏み入れた
踏み入れかけた足は声のした方に向き
虚ろな目で目の前の人を見つめる
早く、逃げたい
誰かに構われるのは慣れてない
手を差し伸べられた
きっとその手をとっていなかったら今頃
今頃、私はどうなっていたんだろう
あの手は今までの何よりも
温かかった
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。