「え?」
小首を傾げるあなたさん。
『は、恥ずかしながら、
付き合うって何をしたらいいのかわからなくて』
おずおずと言う俺。
なかなかに滑稽な気がする……。
「うーん…」
あなたさんはしばらく考えたあと
「北斗くんはそんな事気にしないで?
ほら、好きになってもらう努力をするのは私だから」
『ほ、ほら付き合ったらしたい事とか、
そういうのは?ない? 』
「最終的には…同じお墓に入れたら幸せかな」
??
始まる前から終わった……。
『そ、そういうのじゃなくて、
なんかあるじゃん?イチャイチャとかさ』
「北斗くんはイチャイチャしたいの?」
イタズラっぽくあなたさんが笑う。
俺な頭はなんでだか
“ichai chai”って具体例じゃなくて字面ばっかりが
グルグルしてる。
そんな俺を見かねたあなたさんは
「無理しないで?居てくれるだけで幸せだから」
と言った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。