「そうと決まればぁー」
「決まってないが!?!?」
というやり取りの末、
2人はまっすぐ校長の部屋に向かった
むむ…と眉間にしわを寄せて考え込むあなた
それを横目で見て反応を伺うジニア
そんなジニアが
((ヒュオォォォ…
カーテンが風に揺られ、夕日がジニアの顔を照らした
自分のためにしてくれた事を
あなたはどうしても否定できない
あなたが折れ、ジニアは露骨に喜んだ
そして同時に、校長室の前にたどり着いた
コン、コン、コン_____
ドア越しに聞こえるクラベルの優しい物言いに
あなたは思わず体が反応してしまった
ガチャッッ
扉を開け目の前に佇むクラベルは
目にも止まらぬ早さでタイピングを打ち込み
業務に明け暮れている姿であった
クラベルは耳を傾けるも
視界はパソコンの画面ばかり
あなたの存在に気づいていないようだ
あまりにもクラベルがこっちを見ず
あなたに気づかない為
ジニアはしばし拗ねている様子だ
それにあなたもどこかいたたまれない様子で
面白いくらいにクラベルはこっちを見向きもしない
ここでジニアが吹っかける
なんと
ジニアからの一言を聞いた瞬間
クラベルは椅子から立ち上がり
こちらに目を向けた、一瞬の事だった
そして
クラベルとあなたが目が合い
クラベルは自身の目の前に居る人物を見て
余程信じられないのか眼鏡を取り老眼を疑った
そしてそれを聞いたあなたは
面白さのあまり吹き出して腹を抱えて笑っている
クラベルとジニアが話してる中
あなたはやっと呼吸ができる程度に笑いを止め、
また校長と目を合わせるように体の向きを変えた
一瞬あなたの顔が固まったが
話は止まらず
むしろどんどんヒートアップしていく
掴みは上々なのか、
他愛もない話が数十分続いた
久しぶりの校長との会話が楽しすぎて
あなたはついメインを忘れていた
ダメだ
ウザがられた
嫌われた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。