浮かせていたかかとを下ろす。
オッパの温かい手が私の頬を包む。
唇が重なる。
憧れだったそれは、想像以上に甘くて、想像以上に心臓に悪かった。
鼻先が触れてしまいそうな程近くで、オッパは微笑む。
視界いっぱいに広がるその笑顔を、いつまでも、誰よりも近くで見ていたい。
もう一度少しかかとを浮かせて、私から唇を重ねる。
これが私の返事だということがオッパにも伝わったようで、オッパは私を抱き上げてベッドまで運んでいく。
ベッドに降ろされた私の前に、オッパがひざまづく。
右足の靴紐がゆっくりと解かれる。
オッパはするりと私の右足から靴を奪い取ってしまう。
そしてその手は左足へ目標を変える。
オッパの顔が足に向いているせいでその表情は読めない。
それでもその誘いが耽美に聞こえてしまうのは、私が大人になりきれてないからなのかな。
私の靴を脱がせたオッパはもう一度キスを落とす。
今度は唇だけでは終わらない。
唇の隙間から入ってくるオッパの一部は、私の口の中を支配するように動く。
口の中から頭まで支配されたようで、思考なんてものはもう私から消えていた。
オッパにそっと肩を押されて身体が傾く。
ベッドは私を程よい反発で受け入れる。
酸素を求めて口を開ける私に、オッパの舌はより深く入ってくる。
この息苦しさを表現するために、私の上にいるオッパの服を掴むことしかできなかった。
身体中の酸素が無くなったんじゃないかと思えた瞬間、オッパの口が離れる。
やっといっぱい空気を吸えるのに、もっと苦しくなりたいのはどうして?
そう言って伸ばした私の右手をオッパの左手が掴む。
絡んだ指が熱い。
それにときめく暇もないまま、求めていたキスの雨が降る。
また息ができなくなる。
でもそれがいい。
オッパの右手は私の服の中を進む。
今日ワンピースを着て来たのが正解か不正解かは分からない。
オッパのしなやかな指先が太ももを伝って腰へ、腰からくびれに沿って進んでいく。
それだけなのにくすぐったいとはまた違う感覚が湧いてくる。
私の声が漏れたとき、オッパの右手は私のふくらみにたどり着いた。
右手はそのふくらみを優しく愛す。
丁寧に扱われる程私の中が熱くなるのを感じる。
オッパの質問に、私は1度だけ首を縦に振った。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。