第30話

〜夢とリンクする現実〜
412
2024/06/05 12:33 更新
〜あなたside〜
カチャ、と音を立ててカップが置かれた。
(なまえ)
あなた
ねぇ。お母さんさ…。
お母さん(夢)
ん?
(なまえ)
あなた
お母さんは…あの日のこと。覚えてる?
お母さん(夢)
‥ええ。

お母さんの人差し指が私の頬を撫ぜる。
お母さん(夢)
ほんと…あれから14年も経つのね…。
(なまえ)
あなた
‥そうだよ。
(なまえ)
あなた
お母さんに、見てほしかったんだよ。


ポロ、と雫が溢れる。
お母さん(夢)
・・・。 
(なまえ)
あなた
かけっこだと、いっつも1位だったし。
(なまえ)
あなた
テストはいつも満点だったんだよ?
お母さん(夢)
ええ。
(なまえ)
あなた
鬼ごっこで負けたことはなかったし。
(なまえ)
あなた
かくれんぼでは、治に見つかっちゃったけど…。


眼の前がぼやける。
(なまえ)
あなた
お母さんに…全部、全部伝えたかったっ‥!!
(なまえ)
あなた
大きくなったよって…!
(なまえ)
あなた
なのに…。





お母さんは困ったように微笑んでいた。
(なまえ)
あなた
何で…受け入れちゃったのさ…。
〜太宰side〜







あなたが眠ってから丁度30日目。




谷崎くんが一冊のアルバムを持ってきた。
与謝野晶子
何だい?そのアルバム。
谷崎潤一郎
ボクの卒業アルバムです。


学ラン姿の谷崎くんがナオミちゃんと写っている。
中島敦
学ラン…かっこいいですね!
与謝野晶子
そういや太宰。
与謝野先生が私に話を振る。
太宰治
はい?
与謝野晶子
アンタは学ランかい?ブレザーかい?
太宰治
学ランでしたね。あんまり着ませんでしたけど。



これは本当だ。





学ランを着ていたのは1年だけ。




与謝野晶子
あなたは?
太宰治
セーラーでしたよ。
中島敦
あ!そうですよね、同じ学校だったんですね。
太宰治
そうだよ。あなたはねぇ、ほら。
太宰治
チビだったからセーラー着るとコスプレした小学生にしか見えなかったんだ。
与謝野晶子
…太宰。
太宰治
はい?




与謝野先生が眉をしかめていた。
与謝野晶子
アンタに聞きたいことがあるんだ。
〜あなたside〜





(なまえ)
あなた
中学さ、セーラーだったんだよ。
お母さん(夢)
まぁ、可愛いわね。
(なまえ)
あなた
うう…でもさ小さくてコスプレにしか見えないって治に笑われた…。
お母さん(夢)
ふふ…。
お母さん(夢)
仲がいいわね。
ピタ、と動きが止まる。
(なまえ)
あなた
…違うよ。
(なまえ)
あなた
仲良しじゃないんだ。



まるで言い聞かせるように。






(なまえ)
あなた
仲良しになんか、なっちゃダメなんだよ。
お母さん(夢)
…あなた。
(なまえ)
あなた
ねぇ。
1つ息をつき、お母さんを真っ直ぐに見つめる。
(なまえ)
あなた
あの日の事をお母さん知ってたよね?
お母さん(夢)
…何故?
(なまえ)
あなた
…争った形跡がなかった。
お母さん(夢)
・・・。
(なまえ)
あなた
そして、其の前日に私に”あれ”をくれた。
(なまえ)
あなた
最後は…。













(なまえ)
あなた
お母さん、満足げに笑っていた。
お母さん(夢)
…そうね。
お母さん(夢)
知っていたわ。
(なまえ)
あなた
…何で、逃げなかったの?
(なまえ)
あなた
私を…”ボク”を置いて…どうして…!
お母さん(夢)
…。
(なまえ)
あなた
逃げればよかったんだ。
(なまえ)
あなた
あの人のせいで!お母さんの人生全て壊されたじゃないか!!!


ポロポロ、と涙が溢れて止まらない。
(なまえ)
あなた
何で…。


お母さんがぽつりという。
お母さん(夢)
貴方は…治くんが大好きだったから…かしら。


ひゅ、と息を呑む。
お母さん(夢)
治くんも、幸せになる権利があるもの。
お母さん(夢)
だから、、貴方達二人に幸せになってほしかった。


思わず涙ぐむ。
(なまえ)
あなた
そんなわけ、、いかないよ…。



〜太宰side〜
与謝野晶子
アンタ、何でそんなにあなたを憎むんだい?
憎む、という言葉に皆息を呑んだ。
太宰治
…憎むなんて「誤魔化しは効かないよ。」
与謝野晶子
2年もアンタたちと一緒にいるんだ。
与謝野晶子
嫌でもわかるさ。


ぎゅ、と手が無意識にきつく握られていた。
太宰治
…はっ。
太宰治
みんな、知りませんよ。あなたことなんて。
与謝野晶子
え?
太宰治
あなたが何をしたかわかりますか?
〜あなたside〜



(なまえ)
あなた
だって、私は取り返しのつかないことをした。
与謝野晶子
何って…。
太宰治
あなたは…。
(なまえ)
あなた
私は…。
太宰治
私の母を…
(なまえ)
あなた
治のお母さんを‥。











太宰&夢主
殺したんだから(ですから)




みんな
!!!?





〜太宰side〜


「待て!!」




鋭い声が聞こえた。



その声は、よく知るもので。
太宰治
しゃ、ちょう?




社長が痛々しそうに顔を歪めていた。
福沢諭吉
太宰…違うのだ。
太宰治
え?何を、言ってるんです?


だって、社長が知るわけが…。















福沢諭吉
全て話そう。
福沢諭吉
小山あなたの叔父として。
福沢諭吉
あの日起こった全てを。








みんな
!?

プリ小説オーディオドラマ