シャルが死んだ日。
私はおかしくなってしまっていた。
ずっと一緒にいると思っていた相手が、
あっけなく死んでしまったから。
明日も明後日も来年も、一生、一緒のはずだった。
頭の中は「シャルが死んだ」という、
まぎれもない事実で埋め尽くされていた。
名前のない感情に支配されていた私は、
おかしなことを言ってしまった。
私)ねえ、団長。
クロロ)なんだ。
私)返してよ。
クロロ)何をだ。
私)シャルの能力。
私がそういった瞬間、
アジトの雰囲気が凍り付くのが分かった。
クロロ)もう返した。
私)違うでしょ。
クロロ)。
私)じゃあなんでシャルは死んだの。
クロロ)すまな、
私)お前が借りた。お前が使った。お前が返さなかった。
だからシャルは死んだんだよ。
言ってしまった時にはもう遅かった。
私自身驚いた。団長にこんな言い方をする自分を知らなかった。
みんなももちろん驚いていた。
マチ)ねえ、もういいんじゃ、
私)止めないでよ、笑
だって、能力さえあれば。
アンテナさえあれば。
携帯さえあれば。
シャルは生きていた、そうでしょう、?
誰も反論しない。
クロロも何も言わない。
ここまでノンストップで告げてしまった。
なんだかシャルに見られたら怒られそうだけど、笑
でもごめんね、みんなごめんね、シャル、ごめんね。
でもここまできてしまった。たぶんもう、
ぶれーきなんて、かけられないよなあ。
私)返してよ。
聞いてるの、?
返して。
私のシャルを、返して、泣
クロロ)すまない。
ううん。違うの。私が悪い。
クロロは悪くない。つらくてつらくてしょうがなくて、
八つ当たりをしてしまっただけなの。
貴方が謝る必要はないの。むしろ私が謝るべき。
貴方だって責任を感じているはずなのに。きっとそうなのに。
私だけ被害者面して、責め立ててごめんなさい。
みんなもきっともっとつらいのに、泣きじゃくってごめんなさい。
でもね、もう、こんな世界、私に要らないの。
シャルがいない世界に私のいる意味はない。
だから、ごめんね。んで、ありがとね。みんな。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!