今日もかっこいいなぁ。
その顔を見てるだけで何だか幸せな気持ちになってしまう。
でも、幸せなはずなのに、たまに胸が痛くなるんだ。
何か、無性にぎゅーってなる。
なんかの病気なのかなって思ったけど、健康診断でも異常は無かった。
心臓は健康に機能してるし、肺も綺麗だってお医者さんが言ってたから間違い無いだろう。
この症状が出るのは確実に涼雅の事見てる時だけだし。
何でなんだろうなぁ…
そんな事を思いながらしばらく涼雅を見つめていたら、不意に涼雅がこちらを向いた。
「何?なんかついてる?」
僕の視線に気付いた涼雅はふわっとした笑顔を浮かべて問いかけてくる。
「うん、ついてる」
「へ?!どこ??」
涼雅は慌てて自分の顔を触ってるけど、そうゆう意味じゃない。
ペタペタ自分の顔を触ってる涼雅を見て、思わず吹き出してしまった。
「何?ちょ、笑ってないで取ってよ」
「取れないよ」
「何で??」
心底意味が分からないといった表情で僕を見つめてくる涼雅。
「可愛いお目めと鼻と口がついてる」
僕が言えば涼雅は固まったまま首を傾げた後、唐突に笑い出した。
「何それ!マジビビったんだけど…」
「えへへ、可愛い」
「うざっ」
そんな事を言いながらもケラケラ笑ってる涼雅。
その笑顔を見てたらまたいつもの症状が出始めた。
ぎゅーっと締め付けられる胸。
なのに、凄くふわふわした幸せな気持ちになるんだ。
しばらくそのまま涼雅と笑いあっていたら、不意に涼雅の背後にみなとが見えた。
背後からゆっくりと歩み寄ってきて、そのまま涼雅に抱きつくみなと。
「ぱぁぁあ!!」
「うわっ!!…ビックリしたぁ…」
涼雅は奇声を上げながら抱き着いてきたみなとにビックリしたみたいだけど、すぐに笑顔になってみなととじゃれ合い初めてしまった。
「どしたの?」
「んー、構ってぇ〜」
「あはは、よしよし可愛いねぇ〜」
通常運転のままじゃれ合う二人。
そんな二人を見ていると何だかモヤモヤしてしまう。
同時にズキズキ痛み始める胸。
ついさっきまで僕と話してたのに、涼雅の眼中にはもう僕なんて映ってない。
二人だけの世界に入ってしまった涼雅とみなとを見てるのが苦しくなって、僕は咄嗟にスマホを弄り始めた。
特に用もないスマートフォンでやる事なんて無くて、なんとなくLINEを開いてみたり。
写真ホルダーの画像を流し見てみたり。
その間もずっと楽しそうにじゃれてる二人の話し声は聞こえてきているし、なんなら視界の端にも二人の姿がチラついている。
見て見ぬふり。
そう思っても、嫌なのにそっちばかり意識しちゃうんだ。
そもそも何でこんな気持ちになるんだろう。
楽しそうだと思うなら一緒になってふざければいい。
茶化すって方法もあるはずだ。
それでも、僕にはそれが出来なかった。
何でだろう?
そうしている間にもズキズキ痛みを増す胸。
真っ暗になってしまったスマホ画面を意味もなくつつきながら、僕はひたすらその胸の痛みに耐えていた。
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![[ 参加型 ]落ちた先は不思議の国でした。](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/CWM21aGkG1bNkBofNlYosPPNAoD2/cover/01KKED60ZZF6CG8EV21DX6C63E_resized_240x340.jpg)





編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。