メイドの声で目を覚ました瞬間、私はベッドの上で勢いよく飛び起きた。
鏡の前に立つ。
そこに映っていたのは赤いツインテールで整った顔立ちの美少女。
しかし中身はただの元社畜兼黒歴史製造機である。
昨夜、私は必死に記憶を掘り返し、リリアが今日使う手口を思い出したのだった。
(実に雑な陰謀)
(当時の私、もう少し頭を使ってシナリオを書きなさい)
思い返してもひどいものである。
証拠ゼロ。
目撃者ゼロ。
なのに主人公補正だけで全員がリリアをじる
まさに作者のご都合主義。
だがーー
机の上には小さな瓶が置かれていた。
中には淡い金色の液体が入っている。これは昨夜、倉庫から探し出した特殊なハーブの抽出液だ。
この世界では高級品。
そしてーー
(設定資料集にも書いてない裏設定だけどね)
(なぜなら作者しか知らないから!)
私は不敵に笑った。
王城の庭園ーー
色とりどりの花が咲き誇る中、貴族令嬢たちが優雅に談笑している。
中央の席には今日の主役であり、次期国王のアルフレッド王子が座っている。
美しい金髪と青い瞳。
絵に描いたような王子様だった。
今嬢たち:「素敵.....!」
令嬢たち:「今日も格好いい......!」
私が席についた瞬間、向かい側から甘い声が聞こえてきた。
来た。
元凶である。
ふわふわのピンク髪に愛らしい笑顔。
誰が見ても守りたくなるような少女。
しかし、中身は真っ黒だ。
作者が保証する。
リリアの笑顔が一瞬だけ固まる。
おそらく予想外だったのだろう。
本来のエレナならここで嫉妬全開にし、王子に近づくなと喚く予定だった。
だが私は違う。
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。