コンコンコン
私、のあは2階にあるじゃぱぱさんの部屋のドアを叩きました。
ドアノブに手をかけて中へ入るとじゃぱぱさんはベットの上でぐっすり寝ていました。
最近は避けられてばっかりでちゃんと顔を見れてなくて気づかなかったけどじゃぱぱさんの顔は少しやつれて見えました。
……まぁ、なおきりさんたちの事と入院手続きとかいっぱいありましたもんね。
ベットの横にかがみ彼の頭をくしゃくしゃ撫でます。
なんだかしばらく触れていなかっただけで懐かしさと避けられている悲しみがごっちゃ混ぜになって私を覆い尽くします。
避けてるんだからこれくらいは許してくださいね。
じゃぱぱさんの髪の毛はほんのりいい香りがして温もりが感じられました。
するとじゃぱぱさんの睫毛がピクピク動きました。
私がバッと手を退けるのとじゃぱぱさんが目を開けるのは同時でした。
寝ぼけたような顔で呟きます。
その頬を一筋の涙が伝いました。
じゃぱぱさんは急にガバっと起き上がり周りを見回します。
涙の跡はまだ残っているけどじゃぱぱさんは泣いたという自覚がないみたいで自分の目を不思議そうに拭います。
そう言いながらじゃぱぱさんの首筋に手を当て体温を確認します。
……うん、少し熱はあると思うけど37度ぐらいなんじゃない?
じゃぱぱさんは困ったように私の事を見てきます。
なんだかその困った顔が可愛くて逆に離したくなくなります。
……でも、じゃぱぱさんは私が迷惑なんですよね、
きっと。
自分でも分からないこの距離感に自分自身が傷ついてるんです。
でもそれを自覚したくなくてじゃぱぱさんに笑いかけてほしいと願う……
それが無理でもせめて目を見てほしい…………
こんな我儘な自分、初めて知りました。
でもじゃぱぱさんがどうして避けてるのかが分からないんです。
私の事、嫌いになっちゃったんですか?
今すぐにでも問い出したい。
じゃぱぱさんは前 言ってくれたじゃないですか……
『のあさんは俺が守るけど?w』
あれは話の流れで言った意味のない言葉なんですか
気付いたら私の頬は涙に濡れていました。
駄目……泣いたら駄目……
じゃぱぱさんが困っちゃう……
でも……
もしかしたら私の事を心配してくれるかもしれない
こんなときなのにそんな期待をしてしまう自分が嫌になります。
涙を見られたくなくて、それでも心配してほしくて矛盾の気持ちを抱えたまま私はドアに向かいます。
引き止めてくれたら……
そう願います。
でも待ち受けるのは理想でもなく『現実』。
このまま呼び止めてくれれば…
今日だけで何度願ったんだろう。
分かってるのに………わかってるのに涙が止まらない。
じゃぱぱさんは私と関わりたくないって。
いつもは鈍感って言われるのにこういう時だけ鋭くなってしまう自分の脳みそが憎たらしい。
何もしない知らないで、避けられてることさえ気づかないでそのままじゃぱぱさんを愛し続けられていたらどんだけ幸せなんでしょう。
なにそれ。意味わからない。
……私が望んだこと?
そんなの一つに決まってるじゃないですか。
じゃぱぱさんはそう言って布団に潜り込み 私を拒絶します。
私の願いなんて決まってるじゃないですか。
じゃぱぱさん。貴方の側に居たいだけなんです……、
なんでそれだけが叶わないんでしょうか。
もうこんな恋諦めます………












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。