将吾が来てもなお、私の上に覆いかぶさったままの柾哉先輩。
その瞬間将吾の目の色が変わった。
怒りに満ちた表情で柾哉先輩を引き剥がし、
胸ぐらを掴む将吾。
なんだかこれだと、私がただ被害者になってるみたいで。
絶対に私も悪いのに、
将吾は私の手を無理やり引いて、先輩の家から出た。
私の中にはただただ罪悪感だけが残る。
しばらく歩くと、人気のない公園に着いた。
将吾は私をベンチに座らせて、近くの自販機でお茶を買ってきてくれた。
さっきとは違ってとても優しい表情をした将吾。
私はありのままを話した。
話を進める度に険しくなる将吾の顔を見てるだけですごく辛かったけど、
将吾は最後まで、耳を傾けてくれた。
泣きじゃくる私を優しく抱きしめてくれる将吾。
将吾は私を責めようとはしなかった。
けど、あんなに辛い顔をさせてしまった。
そんな悲しさ、失望感から私は何時間も暑い日差しの中、
空が陰ることがあってもベンチから動くことが出来なかった。
急に空が暗くなり、
大きな雨粒が降り始めた。
そんな中でも私は動く気になれず、そのまま佇んでいた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。