・類視点・
僕と司くんは、あのあとからその場を動いていなかった。
司くんが全然泣き止まないのだ。
そう言っても、泣きじゃくる彼は動こうとしない。
司くんの身に一体何があったのだろう。
そこまでおかしな所は見当たらないし。
何があったのかもよくわからないし…、
怖いことでもあったのだろうか。
僕は司くんをゆっくり抱きしめる。
まだ─
このままでもいいのかもしれないね。
すると、泣き声がピタリとやんだ。
そして、なぜか僕たちの上に黒い影のようなものがかかる。
頭上から声が降る。
その聞き覚えのある声に僕は咄嗟に上を見た。
そこにいたのは瑞希…と
なんと、瑞希に抱きしめられながら泣きじゃくる東雲さんの姿があった。
瑞希はあたふたしながらそう手を振る。
僕も自然に笑顔が溢れた。
そう言って得意げに腕を組む。
瑞希を見つめて僕は少しうつむいてつぶやいた。
瑞希はチラチラと周りを見る。
僕もそれについては気になっていた。
でも─
そう聞くと、瑞希は「あちゃ〜…」とでも言いたげな表情で苦笑いした。
てことは…瑞希も死んだのか。
なら僕に謝らせる筋合いも少々ない気がするが…
そこは目を瞑ることにした。
嗚咽をもらす東雲さんに、僕は目を逸らした。
見てられない。
残された彼女が、彼が何を体験したのか。
殺されていく姿をどれだけ見たのか。
可哀想すぎる。
僕はそう言って遠くを見つめる。
そこには、しんどそうに歩いてくる二人の人影があった。
そう言って二人で微笑む。
向こうからもこちらを確認できたのか、全力で走ってくる二人組。
それは─
弟と妹だった。
僕らはちらりと泣きじゃくる2人を見つめる。
すぐ到着した妹弟は息を荒くして言った。
瑞希はそう言うと東雲さんの背中をさする。
東雲さんは泣きながらも意識が朦朧としているのか東雲くんに抱きついた。
びっくりする東雲くんだが、それを受け入れる。
そんな様子を見た瑞希は満足そうに微笑んだ。
少しまだ泣きながらもそう答える東雲さん。
それを横目に今度は咲希くんが僕に声をかけた。
泣いている司くんを抱きしめながらそう聞いてくる。
僕はそんな兄妹を見つめて、「大丈夫」とつぶやいた。
そう言って哀しげに笑う咲希くんの横顔は美しかった。
僕は司くんに呼びかけた。
司くんはそれを聞いて驚く。
でもまた悲しそうに目を細めた。
つっかえながらもそう呟く司くんに咲希くんは涙を零した。
すると、瑞希は僕の手を取った。
その顔は少し悲しげだった。
僕は静かに頷いて、少し離れた場所へ向かった。
少し離れても会話が聞こえてきてしまうのが辛い。
僕らは二人寄り添って肩を並べた。
そう聞くと、瑞希は「まさか!」と笑った。
瑞希は青空を見上げた。
僕も静かに空を見上げる。
そして口を開いた。
その時の青空はすごく綺麗で、
僕らはやっぱり、どこか似ているんだと思った。
あとがき
みんな尊い…!!
コメ欄の皆様が泣いてる姿かわいすぎと連発していたので!!
癒しの治療薬的な感じでまた採り入れちゃいました🎶((は
それにしても屋上組も素敵…
兄妹とか良すぎですね…
羨ましいです!!!!
明日出せるか分かりませんが出せたら出します!
来週と再来週は確実に出せません!
20日からはテストなのでテストしますので出せないです!
復活は23日から!
ぜひ見逃さないでください!




















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。