第48話

大きなもみの木
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2024/08/24 09:00 更新
魔法薬のクラスを終えて地下牢を出ると、行く手の廊下を大きなもみの木がふさいでいた。

木の下から2本の巨大な足が突き出して、フウフウという大きな音が聞こえたのでハグリットが木を担いでいることがすぐに分かった。




あなたの下の名前)ハグリット、久しぶりね 手伝うわ

ロン)僕も手伝おうか?




ロンとあなたの下の名前は枝の間から顔を突き出して尋ねた。




ハグリット)いんや、大丈夫だ。 ありがとよ

あなたの下の名前)でもそれじゃ大広間に着くころには葉っぱが全部落ちちゃってるかも




ハグリットは自分が来た方向へ振り向いた。

引きずってきたせいか床にはもみの葉が沢山落ちていた。




ハグリット)重いが大丈夫か?

ロン)もちろん! 任せてよ

マルフォイ)すいませんが、そこを退いてもらえませんか?




後ろからマルフォイの気取った声が聞こえた。




マルフォイ)ウィーズリー、お小遣い稼ぎですかね?君もホグワーツを出たら森の番人になりたいんだろう―――ハグリットの小屋だって君の家に比べったら宮殿みたいなものなんだろうねぇ




ロンがまさにマルフォイに飛びかかろうとした瞬間、スネイプ先生が階段を上ってきた。




スネイプ)ウィーズリー!




ロンはマルフォイの胸ぐらをつかんでいた手を離した。




ハグリット)スネイプ先生、喧嘩を売られたんですよ




ハグリットが髭モジャの大きな顔を気の間から突き出して庇った。




スネイプ)だとしても、喧嘩はホグワーツの校則違反だろう、ハグリット。ウィーズリー、グリフィンドールは5点減点。これだけで済んでありがたいと思いたまえ。さあ諸君、行きなさい




スネイプがどよみなく言い放った。

マルフォイ、クラップ、ゴイルの3人はニヤニヤしながら乱暴に木の脇を通り抜け、針のようなもみの葉をそこら中にまき散らした。




あなたの下の名前)ちょっと!―――

ハリー)我慢してあなたの下の名前。スネイプが見てる

あなたの下の名前)でも…

ロン)覚えてろよ




ロンはマルフォイの背中に向かって歯ぎしりをした。




ロン)いつか、やっつけてやる……

ハリー)マルフォイもスネイプも、2人とも大嫌いだ

ハグリット)さあさあ、元気出せ。もうすぐクリスマスだ




ハグリットが励ました。




ハグリット)ほれ、一緒に来い。大広間は凄いことになっちょる




3人はハグリットともみの木を運びながら大広間へ行った。

マクゴナガル先生とフリットウィック先生が忙しくクリスマスの飾りつけをしていた。

その周りを囲むようにして何人かの生徒が飾りつけを手伝っている。その中にはハーマイオニーも居た。




マクゴナガル)あぁ、ハグリット、最後のもみの木ね―――あそこの角に置いてちょうだい




大広間は素晴らしい眺めだった。ヒイラギやヤドリギが綱のように編まれて壁に飾られ、クリスマスツリーが12本もそびえ立っていた。小さなツララできらきら光るツリーもあれば、何百というろうそくで輝くツリーもあった。




ハグリット)クリスマスまであと何日だ?

ハーマイオニー)あと1日よ。そういえば、あなたの下の名前、ハリー、ロン、昼食まで30分あるから図書室に行けるわ

ロン)あぁ、そうだった




フリットウィック先生が魔法の杖からフワフワした金色の泡を出して、新しいツリーを飾り付けているのに見とれていたロンがこちらに目を向けた。




ハグリット)図書館?昼休みなのに?お前さんたち、ちぃっと勉強しすぎじゃないか?

ハリー)勉強じゃないよ。ハグリットがニコラス・フラメルって言ってからずっと、どんな人か調べてるんだよ




ハリーが明るく答えた。




ハグリット)なんだって?まぁ、聞け―――俺が言っただろうが―――ほっとけ。あの犬が何を守っているかなんて、お前さんたちには関係ねぇ

ハーマイオニー)私たち、ニコラス・フラメルが誰なのかを知りたいだけなのよ

あなたの下の名前)ハグリット、教えてくれない?もう何日も図書館に通いっぱなしなの

ハリー)何かヒントをくれない?僕、どっかでこの名前を見た覚えがあるんだ

ハグリット)俺はなんも言わんぞ




ハグリットはきっぱり言った。




ロン)それなら、自分たちで見つけなくちゃ



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