────その時だった。
ズキリ、と頭が傷んだのは
「…… ッッッ!」
何かカナヅチみたいなもので殴られたような
そんな衝撃で俺は思わず片手で頭を抑えその場で立ち止まった
その瞬間
────そう。ほんとにその瞬間だったんだ。
鈍く重い音が 木兎さんのいた方向から聞こえたのは。
「…… え ?」
一瞬何が起きたか分からなかった俺はその光景をただ眺めることしかできなかった
通りすがりの人の叫び声も、
誰かが救急車を呼ぶ声も、
─── 目の前で木兎さんが血だらけで倒れてることも
俺にはまったく理解することができなかった。
「…… 木兎さん ?」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。