あなたside
その日の夜のこと。
『ゴクッゴクッ……プハーッ!』
『あぁ、、ホントあっつ…』
暑すぎるので冷蔵庫を漁っていたら、
キンキンに冷えたラムネがあったではないか。
と、いうわけで飲んでいるのである。
『…ん?』
誰かいる?
夏油「…ッ!」
『お、傑じゃん。』
『眠れない感じ?』
夏油「……あぁ。」
夏油「………」
『…?』
なんか暗い…?
『何々?どうしたのさそんな辛気臭い顔して~』
『私が何かしてやろうか?』
これは言い方が悪かった。
相談に乗ろうか、って言うつもりだったんだけど、
後悔してるよ。本気で。
夏油「…へぇ、何でもかい?」
『…?ま、まぁ、、』
夏油「…場所を移そう。」
夏油「"ここじゃマズい"からね。」
相談だけでしょう?
よっぽど聞かれたくない感じかな…
夏油「…それとも、あなたがここで良いなら良いけど」
『んや、傑の好きなとこでいいよ。』
夏油「…わかった。」
そうして連れてこられたのは傑の自室。
そんなに深刻なのか…?
心配だな。
ガチャ…
夏油「…さて、」
夏油「本題に移ろうか。」
『うん。』
ドサッ…
『……え?』
傑……?
『…何してんの?笑』
夏油「見てわかるだろう?」
夏油「押し倒してるんだよ。ベッドに。」
『ッいや、そういう意味じゃなくてッッ…』
『ッ!』
駄目だ。
傑、今本気の目だ。
傑「のこのこと男の部屋に入っちゃって…」
傑「…駄目じゃないか。君は既に他の男のモノなのに。」
『…どう…ッいう』
他の男って…何のことを言ってるの?
夏油「私の方が好きなのに…。」
『ッは…?///』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。