恋道部に初めて行ってから丁度1週間。
朝、玄関で出会った原田先輩から
『今日恋道部あるから来てね!』と声をかけられた。
この一週間は長かった……。結局色んな事に
集中できなかったし……。
帰りのホームルームが終わると急いで
少人数教室へ向かった。
恋道部の部室の扉を開くと、
早瀬先輩と多田先輩が来ていた。
教えてもらい淡々と分類していく。
分類の項目は大きく5つらしい。
片想いの情報。両想いの情報。カップルの情報。
複雑な関係の情報。カップル絶滅危惧種。
複雑な関係とは三角関係などの事らしい。
カップル絶滅危惧種は別れそうなカップルの事らしい。
手伝っていると、余りの情報の多さにビックした。
こんなにも集まるものなのか……いや、
そもそもどうやってこんなに集めてるのか気になる。
そう言って入ってきた原田先輩。
てきぱきと作業をしだす。さすが……。
何の話をしているんだろう。
気になった私は聞いてみた。
かあっと顔を赤く染める早瀬先輩。
好きな人がいるんだと知った。
『……恥ずかしい!』と自分の言ったことを
振り返って、真っ赤になってしまった。
早瀬先輩は、彼の事が本当に『大好き』なんだと
感じる事が出来た。
先輩の恋は絶対上手くいってほしいと思った。
先輩が拳を前に出した。どういう事か理解した
私は、先輩の拳に自分の拳を合わせる。
心強い、恋の仲間が出来たような気がした!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。