第2話

CHAPTER TWO.
28
2017/10/05 08:16





――――――――――山倉秀(やまくらしゅう)




「「ありがとうございました!!」」




みんなで一緒に頭を下げる。


1番寂しいけど、1番達成感のある瞬間だ。


ライブ終わりの楽屋は楽しい。


みんなライブ中の緊張感から解かれ、


自由にそれぞれの事をし始める。


シャワーに行く人。テレビを見る人。


おしゃべりする人。携帯をいじる人。




秀「みんなお疲れ様~僕、用事あるから先帰るね。」




みんなが口々にお疲れと言ってくれる。


また明日もライブだ、気を引き締めて行こう。


でも、今はこれからの事で胸がいっぱいだ。


僕には恋人がいる。


アイドルに恋人なんて多分許されない関係。


周りから見たら少し変わった愛の形。


愛してるかと言われれば即答えられる。


「愛してる」と。


相手からも愛されてる自信はある。


今日はライブにも来てくれた。


たくさんのファンの人の中から見つけ出すことは


出来なかったけど、


ライブ会場を出てすぐ近くのコンビニで、


前髪をオレンジ色のゴムで留めた人、


つまり僕の恋人を見つけた。


"彼"の名前は佐藤侯(さとうこう)




秀「侯!お待たせ。」




万遍の笑みで僕は侯に近づく。


侯も万遍の笑みで僕を待つ。


そして今日も帰る、同じ部屋へと

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