第6話

視線。
76
2017/10/09 02:59
授業が終わってから、実莉ちゃんが話し掛けてきた。
湖東 実莉
うさ!麻生、めっちゃ見てたよ。
分かってはいた。
湖東 実莉
ずっと、いいな、いいなって言ってた。
それだけで終わってくれればいいんだけど。
ひな子ちゃんがあれだけ言われてれば、私も気にする。
鵜浅 颯夜架
でも、席はどーにもできんやん。
私が言えることはそれだけだった。
でも、麻生ちゃんはそれで納得しないと思う。
私の気持ちは誰も知らない。
だから辛い。
情報の授業中も、私と馬渕くんの二人で話していても、麻生ちゃんが割り込んできたりする。
しかたない、と思っていても毎回割り込んでこられるとこっちもイラッとする。
休み時間も麻生ちゃんと馬渕くんをくっつける話で持ち切り。
そのたび私は逃げるけど、それも怪しまれそうで最近は逃げることもできなくなっていた。

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