午後の試合が始まった。
前半の男子を私達は応援した。
午前中の比にならないくらい。
最初の方は負けていたけど、連続得点して私たちに5点リードで回してくれた。
でも、甘くはなかった。
相手は今のところ全勝の1組。
対して全敗中の私達は2組。
叶うはずもなかった。
後半、女子は惨敗した。
5点のリードも意味をなさなかった。
男子も応援してくれたけど、それを力にすることは出来なかった。
私たちに解決策は見いだせなかった。
そして、最後の試合に望むしか出来なかった。
無神経に笑いながら話しかけて来た馬渕くん。
空気読め!って一瞬思ったけど、わざと無神経に話しかけてるんだって思った。
どんな時でも笑ってられる馬渕くんみたいになりたいな。
華乃ちゃんが私達を呼びに来てくれた。
さぁ、最後の試合だ。
最後の試合くらい勝ちたい。
そして、最後の試合。
四組相手に男子も苦戦していた。
そんな中流れを変えたプレーがあった。
馬渕くんがスーパーレシーブをしたのだ。
かっこいい。
不覚にも思ってしまった。
ローテーションで馬渕くんがコートから出てきた。
そんなやり取りをしていた。
二人が話してる所なんて見たくなかった。
それに、二人をみてキャーキャー言ってる友達に囲まれている私は今、地獄にいるように感じた。
3点ビハインドで迎えた後半。
女子は今までになくやる気を出していた。
勝ちたいという思いが一つになったのだろう。
みんな、必至でボールを追いかけて、少しづつ点を稼いでいった。
その結果、勝つことができた!
私達は喜んだ。
次々と声があがる。
喜びを隠しきれないのだろう。
私達は喜びあった。
最後の試合で勝つことができて本当によかった。
結果、優勝は1組だった。
私たち2組はビリだったけど、いい思い出になった。
クラスの絆が強くなった気がした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。