「私が達也さんを好き?」
「いや、な訳ないでしょ。」
「いやー、どうかなぁ?な訳あると思うよ?」
「キュンキュンしないの?」
「うーん、お風呂上がりと朝起きた時はした…かな?」
キュンキュンはするけど、これが好きとは限らない気が…。
「それがきっと、些細な事でキュンキュンするよ」
うふふ、と美紅は笑った。
「私的には、もう好きになりかけてると思うけどなぁ。」
「それに、話を聞いてる限り、あなたのタイプだと思う。」
「えぇ!?」
そんな事…あるかな?
好きってなんだろう?
そんな話をしているうちにもう4時になっていた。
「じゃあ、そろそろ帰らないと、」
「わかった。じゃあ出ようか。」
と店を出た。
私と美紅は帰る方向が違うため、店の前で別れた。
「あ、達也さんにLINEしなきゃ。」
[今帰ってます。帰ったら一緒にスーパーへ行きませんか?」
とLINEした。
昨日は、昨日の分と朝の分しか買っていなかった。
そう言えば、今日のお昼はどうしたのかな?
と考えていると達也さんからLINEが来た。
[いいよ。行こう。スーパーの前で待っていようか?]
[じゃあお願いします]
[了解]
という事で私はスーパーへ向かう。
スーパーへ行くと達也さんはもう来ていた。
「お待たせしました。」
「お帰り。大丈夫、今来たとこだから。」
「ただいまです!」
ただいまです!って変か、と言ってから気づいた。
「ただいまです!って」
と笑っていた。
「ただいまでいいよ」
「はい!」
「それに、普通に話してくれて構わないよ?」
「え?」
普通に話しているけど、
「敬語じゃなくて、って事だよ?」
「あ、なるほど。」
「あ、別に、敬語がダメとかじゃないからね!気を使わせてるかな。と思って」
「全然そんな事無いです!」
「そう?なら良かった。」
と笑ってくれた。
じゃあたまに普通に話して見ようかな。と思った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。