運動会ももう少し♪
今日は借り物競争の練習中♪
『好きな人』
そう書いてあった。
「はあ・・・」
こんなイタズラなんかに負けない。
「よっし!」
れんとれなの手を引いた。
ザワ・・・ザワ・・・。
昼休憩中。
私は桜子ちゃんに呼ばれた。
「なに?」
「私ね、谷原先生のことが好きなの」
え・・・?
「う・・・うん」
「私・・・先生と付き合いたいの!」
「・・・」
「りんちゃんも谷原先生のことスキ?」
「うん」
「運動会の日、先生とダブルデートしない?」
「ダブルデート!?誰と誰が?」
「谷原先生とりんちゃんと春野先生と私」
ダブルデート!?
き・・・気まずすぎる!なぜかキスしたあの日からずっと避けられてるし・・・。
「いいかな?」
「うん!」
よっし!決めた!ダブルデートで、先生に告白する!
「じゃあ私は春野先生を誘うね!りんちゃんは谷原先生を誘ってね♪」
「わかった・・・」
~運動会当日~
運動会当日!
私は準備係だから朝早く学校へ。
「おはよう♪谷原先生♪」
「・・・はよ」
何やら気まずそうな顔・・。
「担当が変わるから、春野先生に」
「なんで?」
「なんでも」
「キスしたから?」
「あれは・・なかったことに」
「どうして?先生と生徒だから?」
先生は手を止めて「先生と生徒」という言葉にビクリとした。
「でも先生はその生徒にキスしたのにー?」
あ・・先生の困った顔。
「無かったことには出来ないよ?ファーストキスだもん♪」
「何したら取り消ししてくれる?」
「そんなに嫌なの?」
「そうは言ってないだろ!?」
ケンカになる・・・。
「なによ!」
ケンカしたままわかれた。
ポロ・・・ポロ・・・。
「もう・・・最悪」
今日は運動会で先生にアタックするチャンスなのにケンカって・・・。
最悪の気分で始まった運動会。
『次は借り物競争です。選手は入退場門へ』
れなと一緒に入退場門に入った。
「えー、連絡があります!」
体育に先生が話始めた。
「怪我人が出たため、谷原先生が代わりに出場します!」
怪我人の代わりに先生が走ることになった。
パン!という合図で先生と男子たちは走り出した。
私達は控え室で見ていた。
先生は一番先に走っていた。
「かっこいい・・・」
女子が黄色い声をあげるなか、先生は紙をひろって開けた。
「佐藤!」
え?私?
「ちょっと借りたいものがある!」
先生に手を引かれた。
私はなにが書いているのかもわからず、先生に手を引かれてゴール?
「せ・・・先生?」
「はあ・・・はあ・・・」
再び手を引かれて人気のないところに。
「キスしたのは俺の意思。でも俺と佐藤さんは先生と生徒」
「・・・」
「ごめん。あれはノーカウントで」
その言葉を聞いて私は泣きながら走っていった。
『好きな人』
そうかかれた紙を開いた。
「くっそ・・・」
俺はその紙を破った。
俺は佐藤が好きだ。卒業後に告白しようと思ってる。
でもいつもケンカする。
「はあー」
翌週の日曜日。
朝早く電話がなった。
「はーい・・もしもし・・・」
『もしもし!りんちゃん?』
桜子ちゃんの声・・・。
桜子ちゃんの声はちょっと泣きそうだった。
「今学校にいるの。ちょっと来てくれない?」
「うん・・・」
電話を切って学校へ急いだ。
「はあ・・・はあ・・・」
学校に行くと谷原先生が待っていた。
「・・・」
「はよ」
無視して学校に入った。
「おい!」
先生に手を引かれた。
「な・・・なに?」
「無視すんなよ」
「離して!」
振りきろうとした。
「痛い・・・」
なんで?先生と生徒とか言ったくせになんで?
意味わかんない。
「先生と生徒なんでしょ!?無理なんでしょ?」
「何してるんですか?」
桜子ちゃんだ。手が離れた。
「ごめんね。りんちゃん」
「ううん」
先生は何事もないように行ってしまった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。