第20話

fireworks中編⑤ 過去編2
11,730
2017/11/30 04:35
引き続き敦side
鍵のかかって居る扉から手が伸びてきて谷崎さんを部屋の中にひきづり込んだ
ルーシー・モード・モンゴメリ
ルーシー・モード・モンゴメリ
また友達が増えちゃったわ!
嬉しいわねアン!

なぁに?まだ欲しいの?
それじゃぁ…
ギロッと音がつきそうな目でこっちを彼女が見てきた
そして人形がこっちに突っ込んできた
間一髪で虎の足を出して避けることが出来た
こっちが必死に避けて居るのに彼女は笑顔で言った
ルーシー・モード・モンゴメリ
ルーシー・モード・モンゴメリ
すごいすごい!
もっと見たいわ!
あの人形は攻撃速度だけなら芥川と同等以上……!
惘乎(ぼんやり)してたら一瞬で捕まるぞ!
ルーシー・モード・モンゴメリ
ルーシー・モード・モンゴメリ
なんで力強くて便利な異能なんでしょう
さぞ幼少期から皆にちやほやされたに違いないわ
貴方元孤児なのですってね
あたしも孤児院育ちなの
とても寒い所よ
凍ったみたいな水で一日雑巾掛けをした後は何日も指の痛みが取れなかったわ
それに私の異能はこんなだから皆から気味悪がれちゃって

貴方がさらわれた時探偵社は必死に捜したそうね

素敵だわ
きっと貴方が良い異能を持ってるからね
敦
僕は……
僕は孤児院から嫌われていたよ
追い出されたよ
あなたさんをマフィアに取られちゃったよ?

この言葉を言う前に彼女に遮られた
ルーシー・モード・モンゴメリ
ルーシー・モード・モンゴメリ
あたしも異能を買われて組合に拾われたの
けど組合は失敗を許さないわ
今回の作戦をしくじったら
汚れた紙ナプキンみたいに捨てられる
そしたらまた独りよ
そんなのって信じられる?
雰囲気が変わった
ルーシー・モード・モンゴメリ
ルーシー・モード・モンゴメリ
ねぇ
なぜ貴方なの?

なぜあたしではないの?

不公平よ
貴方もあたしの気持ちを思い知るべきだわ

この部屋の中で永遠にね
またあの人形が攻撃してきた


勝つ方法はあのドアに鍵を挿すしかない
そう思ってドアの前まで来た
勝ったと思った


しかし
少年!
危ない!
鍵が変形して僕を刺そうとしていた
咄嗟に僕は鍵を捨てた
ルーシー・モード・モンゴメリ
ルーシー・モード・モンゴメリ
あら
大事な鍵をこんな風に扱って
孤児院の先生に怒られるわ
ケケケケケ

鍵は彼女の手の中で不気味な声を上げていた
敦
鍵でドアを開けたら勝ちじゃないのか!
ルーシー・モード・モンゴメリ
ルーシー・モード・モンゴメリ
そうよ
あけられればね
もっとも
こんな鍵をどう使うのか
あたしには見当もつかないけど
そう
僕たちが勝つ方法なんて最初から無かったんだ

…でも気づいちゃったんだ
おじさん、探偵社のみんな…そして彼女を助ける方法を

其処からは早かった
落ちているリボンを拾い止まってわざとあの人形に捕まりその通る時彼女の身体にリボンをまきつけた
そして彼女を部屋に入れると脅して見た…
結果は思った通りだった
戻れた
敦
ねぇ、モンゴメリ
ルーシー・モード・モンゴメリ
ルーシー・モード・モンゴメリ
何ッ!
あたしを最低だとでもいいたいの?
貴方がたを騙したから
嘲笑いたいの⁉︎
敦
違うよ
ただ、君と同じ経験を僕もしている

ただそれだけだよ
じゃあね
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
敦はそう言うことを思い出していた
一方、フィッツジェラルドは
フィッツジェラルド
フィッツジェラルド
君を残したのは本のためだ
敦
本?
フィッツジェラルド
フィッツジェラルド
世界にただ一冊のみ存在する本だ
どんな炎や異能でも傷つかないとされている
その本がこの横浜の地に封印されているとある予言異能力者が予知した
敦
その本と僕に何の関係が……
フィッツジェラルド
フィッツジェラルド
君が文字通り道標(タイガービートル)だからだよ
君をここに残したのは眼下の町と一緒に灰になられては困るからだ

しかし、もうその必要もない
彼女が手に入ったからだ
ではな
敦
まてっ!
お前にはまだ聞きたいことがッ!
フィッツジェラルド
フィッツジェラルド
ジョンくん
掘り投げといてくれ
さよならだ
虎人の少年(リカントボーイ)
ジョン・スタインベック
ジョン・スタインベック
はい
敦
まてッ!
ーパラシュートをつけて落とされた
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一方あなたは
マーク・トゥエイン
マーク・トゥエイン
ここが君の部屋ね!
あなた

はい

マーク・トゥエイン
マーク・トゥエイン
ねぇ
あなた

何でしょう

マーク・トゥエイン
マーク・トゥエイン
笑って?
あなた

何故ですか?

マーク・トゥエイン
マーク・トゥエイン
君、いま悲しいんでしょう?
あなた

それが?

マーク・トゥエイン
マーク・トゥエイン
雪が降っているから、悲しいなら僕に癒せないかい?
あなた

貴方達が原因なのに?
それとも何、私が喜んで欲しいものがあるの?
欲まみれの貴方達に何もしようとは思わない

マーク・トゥエイン
マーク・トゥエイン
…僕、嫌われてる?
あなた

嫌いよ!

マーク・トゥエイン
マーク・トゥエイン
なんで?
あなた

じゃぁ貴方は連れ去らった本人を好きになれる?無理でしょ!
もういいよ
貴方の長もわたしの異能力の喜び目当てなのでしょう?
物欲がすごいね‼︎
もう、わたしに近づかないで!
虫唾が走る

マーク・トゥエイン
マーク・トゥエイン
ごめんね
かちゃ
あなた

ねぇ、兄さん
こんなことになるなら私は生まれなかったらよかったのかな?

マーク・トゥエイン
マーク・トゥエイン
……
タッタッタッ
あなた

…助けて

カチャ
あなた

あなたはだぁれ?

ルーシー・モード・モンゴメリ
ルーシー・モード・モンゴメリ
助けてなんて言っても無駄よ
あなた

私の気持ち、貴方にわかるの?

ルーシー・モード・モンゴメリ
ルーシー・モード・モンゴメリ
其れは此方の台詞よ
私は孤児院
貴方は両親もいたし、兄もいる
何故、貴方にいるのに私にいないの!
この苦しみ
貴方に何がわかるのよ!
あなた

分からないよ!
でも、私も苦しんでるよ…
兄と比べられ、劣っていると判断され…
挙げ句の果てには友達も親も全て兄を愛す
そんなの兄のいない貴方に何がわかるのよ‼︎

ルーシー・モード・モンゴメリ
ルーシー・モード・モンゴメリ
…ごめんなさい
あなた

否、私も言いすぎた
ごめんなさい
ねぇ、貴方
お名前は?

ルーシー・モード・モンゴメリ
ルーシー・モード・モンゴメリ
ルーシー
ルーシー・モード・モンゴメリ
あなた

そう、ルーシー
私と一緒に逃げましょう

ルーシー・モード・モンゴメリ
ルーシー・モード・モンゴメリ
そんなこと出来ない!
ここを降りたらあたしの居場所なんてない‼︎
あなた

あるよ

ルーシー・モード・モンゴメリ
ルーシー・モード・モンゴメリ
何処によ!
あなた


私が貴方の居場所になるよ
だから行きましょ

ルーシー・モード・モンゴメリ
ルーシー・モード・モンゴメリ
でもパラシュートは1つしか…
あなた

私のことあまり知らないの?
私の異能は喜びの時に欲しいものを出せる
つまり、異能力「emotion」喜び

ブワァ
ルーシー・モード・モンゴメリ
ルーシー・モード・モンゴメリ
何これ、桜?
ポンッ!
あなた

はい、パラシュート
いこ!

ルーシー・モード・モンゴメリ
ルーシー・モード・モンゴメリ
うん
ー飛び降りました
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その時マフィアの芥川と探偵社の敦は戦うことを決めていた
芥川
芥川
人虎
無事にあなたは回収されたそうだ
此れで、彼奴らを倒すぞ
敦
あぁ、一時休戦だ
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本場と少々話を変えていきます

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