「そら…」
どんどん意識が遠ざかっていく様な感覚に
目眩を覚えた
「え?そうだったかな?」
私が私じゃないみたいで
「ごめんね、あんまり記憶なくて…」
今が夢なのかもわからなくなる
言いながら鏡で自分の顔を確認するそら
「うん、たしかにカッコイイもんね」
そうさり気なく伝えると
びっくりしたのか
と、顔を近づける
あぁ、こういう所が彼のモテるところなのか
と納得しながらそらの言葉を思い出した
天然…
「は!?天然じゃないから!!」
昔から大嫌いな言葉
バカにされてる気がしてついムキになってしまう言葉
「そらは謝んないで!」
「私が、ついムキになっちゃったから、、ごめんなさい」
そう言って笑ってくれるそら
私のダメな所
彼らと離れ離れになったきっかけもたしか私だ
ここは…
ここは…きっと…
1年前の私の記憶。
神様が与えてくれたチャンスなんだ。
彼らと私が離れ離れにならない為の…
やり直す為の…
……
………
…………
……………
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。