昼食をとり、また練習。
今日は音駒と稲荷崎が試合をする
稲荷崎の今日のマネージャーは雀田さんとにいなちゃん
見た感じ、にいなちゃんはちゃんと仕事をしてくれているみたいで安心した。
お互いに向かいあい、試合がはじまる。
ドリンクはさっき作った。
タオルの替えもある。
またノートを開き、試合と練習での違いを書き記す。
チーム練と試合では、緊張とかプレッシャーとか
諸々積み重なってトータルの強さが変わることがある。
そこを意識して練習すれば、少しだけど改善される。
ピッ
随分と点差が着いたところ。
それでも点が入る度嬉しそうにする。
それもそうだろう。
稲荷崎という強豪に、通用する実力ではある。
それでも、通用するだけでは足りない。
勝てなくては、結果を残さなければ
公式戦なら即敗退
敗者は無慈悲に切り捨てられる。
そんな中でも、強くなるための通過点として
この試合があるのかもしれない。
あくまでこれは練習試合。
そんなに思い詰める必要は無い。
焦りと緊張が生み出す綻びが、これから先も脚を引っ張る。
今のうちに、克服しておくべきだ。
おそらく分かっていないリエーフくんが返事を
黒尾さんに続き、みんなの表情が晴れていく。
その後、フルセットで接戦だったものの
ギリギリで負けた。
正直、練習を見てる限り
稲荷崎からセットを取ることは出来ないと思っていた。
やっぱりバレーはおもしろい。
みんなにありがとうって言ってもらった。
特に大きなことをした訳ではないけれど、
小さなことでも感謝されるのは誇らしい。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。