第3話

きいろ。
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2017/11/05 10:01
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私たちカップルといえば。


LINEをすれば



『淳太くん』

『ちょっとー?』

『おーい』

『寝てるの?』

「うるさい」









『すき』

『だいすきだよ淳太くん』

『聞いてますー?』

『淳太くーん!』

「うるさいで」



…と、まぁこんな感じ。


なのに、さっき私のスマホに入ってきた通知には、「淳太くん:すき」とあった。


一体何があったの。

いつも言わないじゃない、そんなこと。


勘違いかもしれないと思って、恐る恐る淳太くんとのトーク画面を開く。

そこには「すき」の文字。

夢じゃないんだ、これ。


それに次いで「だいすき」ときた。

おかしい。


普通のカップルなら嬉しいものだと思う。

けれど、あの淳太くんからだと考えると何かおかしい。


どう返そうか悩んでいると、また左の吹き出しが増えた。



「家行く」



の三文字。


彼が今どこにいるのかも、誰といるのかも知らない。


そんな中、私は鏡の前にいる。

軽くだけしていたメイクを直して、髪も整える。

少し離れて、全身のバランスと服をチェック。


彼に少しでも可愛いって思われるように。



『大丈夫かな、』



そうこうしてるうちにチャイムが鳴り、インターホンに淳太くんが映っていた。



『はーい!』



インターホンへ一方的にそう告げて玄関へ走った。

ドアを開けると顔を赤らめた淳太くんが、濵田さんに支えられて立っていた。



『あれ、濵田さん?ですよね?』

「覚えてくれとった?良かった〜」

『どうしたんですか、この状況』

「淳太があなたちゃんの家に連れてけって聞かんくて、」



眉を下げて困ったように笑う。



『ごめんなさい、ありがとうございます…!』

「ええねんええねん、淳太よろしくな?」

『はい!ありがとうございましたっ』

「へへっ、ほなおやすみー」

『気をつけて!おやすみなさい』



淳太くんを受け取り、手を振る濵田さんにペコっと頭を下げてドアを閉めた。



『淳太くん?靴脱いで?』

「えぇ、あなたが脱がせて?」

『もう、はやく!』

「ふふっ、ありがとう」



ゆったりとした話し方と、とろんとした瞳。


肩に手を置かせて靴を脱がせる。

くふふ、と頭の上から声が漏れている。



『よし、行くよ?』

「はぁい」



ソファーまで運ぶと私の手をぎゅうぎゅうと握っている。

視線は手にあって、私を見ては、むふふ。と笑う。



『どうしたの?』

「んー?んふふ、」

『なに?』

「だいっすきやなぁって」



左手で口を覆う。

にこにこと目尻のしわを深めている。



「なぁなぁ」

『ん?』

「こんなんいや?こんなんしたいってシラフの時にも思ってるで?俺は、」



首をこてんと傾げてそう呟く。

赤らんだ頬と少し潤んだ瞳が、彼が酔っていることを物語っていた。




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