私は、何回も練習した。
そして、三十分程して完璧に出来るようになった。
だから、私は、休憩することにした。
その後、五分ほど経った時、殺人ピエロが来た。
財前樹里は居なかった。
殺人ピエロ、一人だけだった。
私は、殺人ピエロを今なら殺せられる。
そう思った。
前は、財前樹里に邪魔された。
けど、今は、居ない。
殺人ピエロ一人だけを狙って殺せばいい。
一対一ならいける。
そう思ってた。
この時、私は、もう罠にハマっていた。
私は、殺人ピエロに言った。
『殺人ピエロ、財前樹里は居ないのね。それなら、もう勝負は決まってる。』
そう言ったけど、殺人ピエロは無反応だった。
そして、沈黙のまま三分経過した。
殺人ピエロは、ただ突っ立てるだけで何もしてこない。
私は、だんだんと、イラついてきた。
だから、私は、もう一度話しかけた。
『返事出来ないの?勝負しないなら、出てってくれる?』
それでも、返事がない。
私は、イラつきがマックスになる直前だった。
もう、殺人ピエロの方に行って攻撃したいけど、視線を合わせようとしないから、あの作戦が実行出来ない。
何故か、私の足元を見てる。
何かの罠なのか。
殺人ピエロは、ロボットのように無表情だった。
だから、何を考えているのか、読み取ることが出来ない。
殺人ピエロじゃないみたいだ。
そうゆう事か。
私は、罠だと気づいた。
目の前の殺人ピエロは、偽物。
そして、本物はどこかに隠れている。
この教室のどこかに。
私は、大声で言った。
『何処にいるー?本物の殺人ピエロ!』
すぐに返事があった。
『バレてしまったか。』
殺人ピエロが私の後ろにいる。
私が後ろに振り返ると、殺人ピエロは、一瞬で場所を移動した。
『それは何?』
私が聞くと、殺人ピエロは『ロボットだ』と答えた。
そして、殺人ピエロが言ってきた。
『この勝負は、俺達の勝ちだな!』
私は、言葉の意味がすぐには、理解出来なかった。
でも、気づいた。
俺達という表現の仕方で。
後ろに気配がする。
財前樹里だ。
その他は、居ないはず。
でも、振り返った時は、もう遅かった。
ナイフで心臓を刺された。
私は、その時、思った。
振り返らないで、逃げればよかった、と。
そして、私は、倒れた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。