流川くんが漢字…!?失礼だとわかっていながらも気になってしまうのが現実である。頭の中だけに収まらず、外にもはてなマークがどんどん現れていく。
その声を皮切りに、部長さんがわたしたちのところへやってきた。
栗本くんがお礼を言っている。最後のところは栗本くん、押していないじゃないか。しかしそんなことを言っている暇はない。
部長さんは私たちの肩を叩いて、付添人席に戻っていった。
私はどうしても気になってしまったことを聞く。本当は聞きたかったわけではなくて…そんなつもりはなくて…でも聞いてしまった。何か言われたときの言い訳を考えつつ流川くんに問いかける。
今確かに、「昨日」と聞こえた気がした。そんな文字通りの一夜漬けで??とまたはてなマークの嵐である。
テレビを見て漢字に触れるという手段があったらしい。私は流川くんをアニメばっかり、とナメていたのかもしれない。
流川くんの横に突然現れた栗本くんが話に割って入ってきた。
どこまでも謙虚な流川くん。流川くんが漢字得意だなんて、しかも慣用句だとかも得意だったという事実は本当に初耳だった。
私達が呑気に話している間にも時間は過ぎていく。
私達は話すのをやめた。代わりに、部長さんに言われたことを思い出していた。

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!