帰りのホームルームが終わり、ちょうど校門を抜けた頃。
水島くんに話しかけられた。
なるべく手短に済ませようと思い、私は水島くんの方を向いた。
私が波風をたてないように愛想笑いをすると、水島くんはふーんと言った。
思い付いたようにばっと食いついた水島くん。
そらる…様?
なんで水島くんはそらる様の事を知っている?
なんでそらる様のことを『いけすかない』と言う?
なんで情報を求めてくる?
いやでも。私が今すべきことは…
私が手短に済ませると、水島くんも
と言って帰っていった。
…これは、
皆様に、お聞きする必要がありそうですね。
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【そらる屋敷】
私のことを必死におさえようとしてくる皆様。
しかし、相も変わらずそらる様は欠伸をかいている。
なんか私無視で揉めてるし……
……なんだろう。この絶妙なおいてけぼり感は。
まあ別においていかれて困ることはないのですが。
飛びかかるまふまふ様を避けたそらる様は、
変なことを言い始めた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!