第38話

本当は…
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2017/12/20 09:44
それからは…


愛衣ちゃんの家に一人で向かおうとしたけど、
「またこういうことがあったら嫌だから」って送ってくれた。
朱音
朱音
ありがとね!修哉!
修哉
修哉
おう…じゃ、おやすみ。
朱音
朱音
お、おやすみ!
修哉と「おやすみ」なんて会話をするのは…いつぶりかな。


…喧嘩する前も、夜は基本的に会わなかったから、「おやすみ」なんて交わさなかった。



…幸せだなぁ。

ふいにそんな感情が私の心を占めた。


…これが、愛する彼氏と最悪の別れをした彼女が思うことじゃないと思うけどね!!!



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ピーンポーン


急な訪問にドキドキしながら、インターホンを押した。


「はーい、今出ますー」


愛衣ちゃんの声だ。


この声を聞くと、安心する。
愛衣
愛衣
配達かなー…って朱音!?
愛衣
愛衣
ど、どうしたのー!?
今回は何事ー!?
なんで…何かあったって分かったんだろ…。

そんな疑問は顔に出ていたらしく…



愛衣ちゃん曰く、

私が突然家を訪問する場合には、かならず何かある、だそうです…。
朱音
朱音
ちょっと聞いてほしいことがあって…

お泊まりに来ました!!!

色々とツッコミたそうにしていた愛衣ちゃんだけど、私の雰囲気を読み取ってか、「了解」とだけ返事して、家にあげてくれた。



察しの良い彼女には、いつも感謝しかない。






部屋にあがり、落ち着いた所で今日あった事を細々と話すことにした。













朱音
朱音
実はね…司と別れたんだ。
愛衣
愛衣
…まじか。どうして?
朱音
朱音
…っ今日ね、一緒に帰ろうと思って司のクラスに行ったら…

知らない女の子とキスしてたの。
愛衣
愛衣
…浮気ってやつか。

見間違えとかない?
ちゃんと別れ話した?
朱音
朱音
「その子とは遊びだった。」
って言われてムカついたから一方的に別れた。
愛衣
愛衣
…そっかぁー。最低だね。
朱音
朱音
うん…っ
あの光景は…いつ思い出しても、私の心を深く抉る。
























愛衣
愛衣
…最低だと思うけど…朱音は、それでいいの?
???

どういう事だろう…。


浮気されたら別れるのっておかしいかな?









朱音
朱音
どういうこと?
愛衣
愛衣
…長く付き合ってきた彼氏でしょ?
宮本は…本当に浮気するような人だった?







…本当は、考えてた。










私を溺愛してくれていた司は…浮気なんかしないって。




朱音
朱音
それは……っでも、事実がある以上…。























愛衣
愛衣
朱音が傷つく気持ちも分かる。


…だけどね、いくら最低だったからと言って、一方的な別れは、“別れた“にカウントされないと思うんだ。




…そうだよね、私…逃げたんだ。




自分より他の女の子が愛されてたら…って思うと、怖くて見栄を張ることしか出来なかった。












私がここに来た理由は…
きっと、慰めてもらうためじゃない。
















…どうすればいいのか分からなかった。




助言してほしかったんだ…。

































なら、今すべきことは…
朱音
朱音
っ愛衣ちゃん!っありがとう!!!












そう言って、急いで愛衣ちゃんの家を出た。

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