第67話

55度
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2024/05/15 07:41
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無事に魔性使いチームとの戦いが終わり、
現在は私の部屋で蔵馬と話をしている。
なぜ黙って首縊島へ行く必要があったのか、
人魂について、木津地について……
冬瓜
……結局手がかりゼロだったんだけどね
蔵馬
木津地 縋か……
聞いたこともない…けど
冬瓜
けど?
蔵馬は神妙な顔をして話す。
蔵馬
俺が妖狐だった頃、魔界で着実に力をつけている部族がいるという噂を聞いたことがある。
蔵馬
木津地の名は聞かなかったが、「春根」という名は知っている。
冬瓜
春根……
冬瓜
(確か、秋灯が長男で春根が次男、夏木が三女って鴉が言ってたよね…)
蔵馬
何で有名だったかは思い出せないな
ごめんね
冬瓜
いや、全然大丈夫!
てか手がかりが増えて嬉しいよ!ありがとね!
最初から素直に話しておくべきだったと静かに後悔している冬瓜であった。
冬瓜
あ…そういえば鴉!
蔵馬

鴉…?
蔵馬
奴と何かあったのか?
急に蔵馬がこちらに詰め寄ってくる。
冬瓜
や、まぁなんかあったっていうか……
冬瓜
資料庫で奇襲かけられて、足やられちゃったんだけど、
悪いと思ってるのか、移動したい時は抱っこして運んでくれたし………
冬瓜
(あれ?てか
足の痛み無くなってるような?)
蔵馬
………鴉
冬瓜
えっ蔵馬、なんか怒ってる?
蔵馬
………いえ?
怒ってませんよ?
冬瓜
(それ、めちゃめちゃ怒ってます)
鴉との事を話すと、明らかに蔵馬の顔が怒り始めた。
冬瓜
ダンナ……
笑顔が引きつってますぜ………
蔵馬
引きつってる?俺が?
冬瓜
アァハイ。
でも詮索するの怖いんでやめときやすぜ
蔵馬
(なんでだろう…
アイツが冬瓜に触れていたと思うと、怒りが収まらない。)
蔵馬
(なんでだ……
冬瓜のことになると、やけに感情的になってしまう)
蔵馬
(この感情の答えに、もう少しでたどり着きそうなのに。)
イスに座り、窓から景色を眺めている冬瓜を見て、ひどく安心する。
蔵馬
(このままずっと、2人でいたい…)
蔵馬
(……2人で?
幽助や桑原くん、飛影は?)
コンコン
ガチャ!!!
冬瓜あああああ!!!!
おーーまえどこいってたんだよォ!!!??
冬瓜
うわ!桜!?
うわ!ってなんだようわ!って!!!
素早い二回ノックの後、思い切り扉を開けてきたのは桜だった。


桜は思い切り冬瓜に飛びついてきた。
冬瓜
わあ!!
く…!!くる……くるし………!?
全くよォテメェはよォ1人で勝手に動きやがってよォ
一人で抱え込みすぎなんだよォ!
冬瓜
さ…さくら………ごめんて……
くる……くるしから一旦離……
ベリ。
蔵馬
はい。一旦離れましょうね。
蔵馬が桜を引き剥がしてくれた。
冬瓜
助かった……
ありがと蔵馬!
蔵馬
……
はい。
冬瓜
(?なんだろ今の間?
まぁ…笑顔だし、気にする必要ないかな?)
あァすまん……
取り乱しちまった。
あそうだ、蔵馬。冬瓜。
皆今海近くにいんだけどよ、お前らもどうだ?
冬瓜
皆に会いたいなぁ……
ねぇ、行こうよ蔵馬!
蔵馬
…いいですよ。行きましょうか。
冬瓜
(うーんなんだろ?
なんかさっきから蔵馬、変な感じするんだよなぁ)
冬瓜
(ま、考えすぎか!)
(あーーーーもしかして俺水差しちゃった系??)
蔵馬
(何も言わずに笑顔で見てくんの怖)
(怖いから早く避難しよ)

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