第13話

千夏side
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2017/12/27 01:43
…ったく。

心臓壊れるかと思ったじゃん。

今でもあなたが倒れた時の光景が頭に焼き付いている。

2年前と同じかよ__

あれは俺が中3、あいつが中2だった頃。
ガコンッ!
あなた

あ〜!また外れたよー!もぅ、どうやったら千夏みたいに上手くなれるかなぁ。

千夏(チカ)
んー。もうちょいリングの手前狙ったほうが入るんじゃね?
あなた

え〜?手前?よっ…!

ガッガコンッ!
千夏(チカ)
おっしーな。でもだいぶコツ分かったみたいじゃん。
あなた

うんっ。私 、もっと頑張って千夏と1on1やってみたいんだ!

千夏(チカ)
へぇ…。んじゃ、楽しみにしとくわ。
あなた

へへっ。任せといて!

そんな約束をして、直後にあなたが倒れたんだ。

あいつは…頑張りすぎると貧血になりやすいからな。
俺が…俺がもっと早く気づいてやれれば、2年前だって…今日のことだって防ぐことができたかもしれないのに。
千夏(チカ)
ばかはどっちだよっ…!
俺はくしゃっと髪を掴み、来た道を振り返った。

医務室からは小さな明かりが灯っていた。

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