第25話

兵士
58
2018/01/12 14:51
その時、誰かが入ってきた。
くるりと後ろを振り返ると、城にいた兵士と、帽子屋の老人がいた。

「こいつが、どうしてもと言うんでな。わしはは反対したんじゃぞ。」

老人はぶつぶつと文句を言うように告げた。

「なんで、あなたがここに?」

私は兵士に尋ねたが、代わりに、「時間」が答えた。

「わしは、もともとはひとつの空間のような感じで存在していたんじゃが、それでは危ないと、君のお父さんが、この帽子屋のところに移したんじゃよ。」

「じゃあ、扉にあったあの時計のマークは…」

「君のお父さんが彫ったものだ。目印にとな。ちなみに、そこの兵士は、帽子屋の孫じゃよ。」

「孫!?」

似ても似つかない2つの顔を見比べながら私は叫んだ。

「なんだよ、悪いか。」

兵士はイラつきながら喋った。
怒った時の目つきだけは似ているようだ。

「昔はよくこの中に遊びに来たもんじゃ。」

「時間」は懐かしそうに喋った。

「でも、なんでここに来たんですか?」

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