第74話

窓際の花 と 白い封筒.
294
2018/03/20 06:37
私は寮に向かいながら、考え事をしていた。

((後で荷物はもう一度取りに行ってみよう。…あ、でも、少し遅い時間になるかも。))

それに気づいた瞬間、周りを見渡す。
かなり暗い。もうすぐ夏になるというのに。

とぼとぼと歩き続けていると、寮に着いた。
階段を上がりながら、自分の首に鍵の通った紐がかかっているのを確認する。
生徒会が毎日用意しているという、窓際の花を見てから、部屋に続く廊下にさしかかった時だった。

…私が今1番会いたがっていた人が扉の横の壁にもたれて立っていた。

相変わらず、制服の上から黒パーカーを着用していて、生徒会長にふさわしくない身なりだ。
あなた

レオっ!

レオ
そして、無口だ。昨日はあんなに話したのに。
私が駆け寄ると、レオはこちらに目を合わさず、私に黙ってポケットから白い封筒を取り出す。
レオ
あなた

…何、これ?

私がレオに「今、開けていいの?」と聞いたつもりなのだが、全くの無反応なので、私も黙って開けることにした。

手紙の上部に書かれた綺麗な字列を見つめる。
あなた

正式…入学拒否…生徒に…ついて?

プリ小説オーディオドラマ