第6話

星 と 友達 と お城.
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2018/01/14 00:13
リカルド
あぁ、そうでしたね。ご両親は遠い国に在住だとか。
あなた

そうです。

私は少し笑って、肩までかかっている髪を耳にかけ直した。黒髪も嫌がられたりしないか、少し不安だった。
何よりも、
町をなかなか出なかった自分に、
リカルド
友達が出来るのか不安、ですか?
あなた

え?

リカルドさんは「そんな顔をしてますよ。」と、少し心配そうな笑みを浮かべた。
その笑みを見て、私は思わず下を向く。
さっきから何かに触れとかないと落ち着かないのは、
多分、緊張してるのと不安があるから。
けれど、それを一瞬忘れかけたくらい、リカルドさんの青い目が綺麗だった。中に星があるみたいで。
リカルド
あなたなら大丈夫ですよ。さっきみたいに、にっこり笑ってみてください。きっと、すぐにお友達が出来るはずです。
そう言うと、リカルドさんは前を見て、「そろそろ着きますよ!」と言った。
門の前まで来たところで、馬車が止まり、リカルドさんの手を借りて、ゆっくり地に足を付けた。
見上げると、大きな建物がそびえ立つ。
壁が白く、屋根が青い。
ずっと、家の窓から見ていた屋根なんだと思うと不思議でとても、信じられない。

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