第15話

それから
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2025/06/11 11:28 更新
あれから月日が経って……


私たちは、晴れて警察学校を卒業した。
卒業式の前に、女大生2人が何かやらかしたのか、松田が大声を上げて、それを萩原がなだめていて大変そうだった。
式中、5人は相変わらず問題児だった。
諸伏が、諸伏のお兄さんの手紙に制服姿の写真を入れたいと言っていたので、コンビニでインスタントカメラを買って写真撮影をしていたのだ。

ところが……
降谷零
松田、その手紙を出す前に写真を確認するって言って1度出したけど、ちゃんとポストに入れたんだろうな?
松田陣平
おうよ!ちゃんと出しといてやったぜ!

この通り、男前にしてな♡
松田に見せられた写真には、諸伏の顔に髭がたされていた。
伊達航
髭を書き足してやがる!
あなた
嘘でしょ?警察官になりたてで髭はありえない。
松田陣平
え゛ーー
イケてると思ったんだけどよ…
降谷零
松田…お前なァ…
ほんとバカみたい。
教官
それでは、警視総監より、祝辞を……
萩原研二
おっ!陣平ちゃんチャンスじゃない?
警視総監を一発殴るために警察学校に来たんだろ?
諸伏景光
ま、まじで!?
あなた
嘘でしょ!?信じらんない
萩原研二
景光ヒロと班長!松田を押えて!!
コイツ本当にやりかね……
松田陣平
ばーか、殴るかよ
ガキじゃあるまいし
松田陣平
(ふふーん)
黙ってやり取りを聞いていたと思ったら、得意げにふんぞり返った。

いや、ガキだな
降谷零
(ガキだな)
諸伏景光
(ガキだな)
萩原研二
(ガキだな)
伊達航
(ガキだな)
教官
卒業証書授与!卒業生代表……
降谷零!!
降谷零
はい!
式はいつの間にか卒業証書授与まで進んでいた。










数年後……

私と恵は交通課。
諸伏は警視庁捜査一課に配属され、某組織に潜入中。
萩原と松田は警視庁警備部機動隊爆発物処理班に、伊達は警視庁捜査一課強行犯係に、降谷は警視庁警備局警備企画課に配属された。


11月に入り、寒さを感じる季節になった。


今日は、萩原と非番の日が被ったので、あのスイーツ店に行くことになった。
萩原研二
いや〜、まさかほんとに"カップル扱い"が現実になるとはねぇ。
あなた
ほんと、あの時は考えたくもなかった
萩原研二
あなたの名字ちゃん、本気で嫌そうだったもんね。
アレ、地味に傷ついたんだよ〜
あなた
だってほんとに嫌だったんだもん。
そんな会話をしながら、スイーツ店にはあっという間に着いた。











店員
お待たせ致しました。こちらモンブランと、いちごタルトです。
ごゆっくりどうぞ
あなた
ありがとうございます





萩原研二
もうクリスマスか。早いなぁ
イートインスペースは、一足早くクリスマス仕様になっていた。
あなた
まだ11月の上旬なのにね
萩原研二
今日は確か……
あなた
6日だよ
萩原研二
クリスマスには程遠いな(苦笑)
あなた
ほんとにね。
あなた
……ねぇ、クリスマスは誰と過ごすの?
萩原研二
え??
あなた
え?
萩原研二
俺、めっちゃあなたの名字ちゃんと過ごすつもりだったんだけど
違った?と首を傾げられてしまった。
あなた
いや、違わない、けど。
萩原研二
逆にあなたの名字ちゃんは誰と過ごすつもりだったの?
あなた
えっと〜、萩原…です
萩原研二
でしょ
あなた
初詣も?
萩原研二
もちろんだよ
あなた
ふふっ、そっか
萩原研二
なに、どうしたの急に
あなた
いや、愛菜以外の大事な人と過ごすのは、久しぶりだから。
萩原研二
……///
急にデレてくるのやめてくんない?
心臓に悪い
そう言って笑いかけると、萩原は照れた顔を隠すように手で覆った。
あなた
…デレてるつもりは無いんだけど
萩原研二
……分かってるんだけどさぁ、こう、ね。
分かる?
あなた
わかんないよ
萩原研二
だよなぁ














帰り道。
萩原研二
あなたの名字ちゃん、また明日ね
あなた
うん、また明日。


















もし、私に未来が見える能力があったら……


後悔することを知っていたら……
















「また明日」


この言葉は絶対じゃないって、なんで分からなかったんだろう。













後悔先に立たず。














済んだことは後悔しても取り返しがつかない、と言うこと。














知ってたのにな……そんなこと。










私はまた、大切な人を喪った。

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