『今までの話を聞いた限りだと、多分倒れて数時間後にジミンさんが見つけたって感じですね』
僕たちの待っていた最後の一人が、あなたの様子を見ながらそう教えてくれた。看護経験のある方で、多分この人がグガの"大切な友達"だと思う。
『体温も戻ったしある程度経てば目は覚ますと思うけど…』
彼女は少し考えて一呼吸置き、あなたの掛け布団をそっと直してから僕の方を見上げた。
『多分栄養失調だと思います。この方は一人暮らし?忙しいのかな…』
ズンと身体が重くなって胸の辺りが苦しくなった。ジニヒョンやテヒョンアの視線を感じながら、僕はただ眠っているあなたを見つめ、はらはらと涙を流すことしか出来ない。
何かを察してくれた皆が少しだけベッドから離れて、僕の場所を開けてくれた。
ラグの上に座りこみシーツの隙間を縫うようにしてあなたの手を探すと、ゆっくり自分のと手を絡めて、やっと温かくなってきた熱をお互いに共有するように溶け込ませる。
すぐに見つけてあげてれば、
毎日あの家に帰っていれば、
そもそもあなたを閉じ込めなければ、
そんな今更どうしようもない後悔ばかりで頭がいっぱいになる。
誰も何も言えない沈黙のまま僕の嗚咽だけが部屋に響いて、ジニヒョンが僕の肩をそっと叩いてくれた後『暫く二人きりで。』と言って全員が部屋を出て行った。
服とシーツが濡れてしまっても、ティッシュを取りたくても、絶対にこの繋いだ手は離したくない。もう離さないって決めたから。
合間に少しうとうとしつつあなたの目が覚めるのを待って、途中交代で誰かが様子を見にきてくれて、その数時間後、本当に彼女が予測してくれた通りあなたは目を覚ました。
僕はこんな事をしたのに、僕にこんな酷い仕打ちをされたのに、あなたはにっこりと微笑んで俺が待っていた言葉を贈ってくれる。
こんな時にも自分より僕を優先するあなたに対して、胸一杯の愛情が溢れてくる。
今まで蓋をしていた気持ちは留まることを知らずに流れ出て、厚かましくも期待までしてしまう。
繋いだ手を握り直しながら包み込むように片手で抱きしめると、あなたの懐かしいにおいが鼻先を掠めてまた鼻の奥がツンとした。
首元から顔を離すと何故か涙目のあなたがぐじゃぐじゃであろう僕の顔を見て優しく笑う。
だからつられて微笑んで、僕は忘れていたあたたかな笑顔を返してもらった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。