周りには袴やスーツを着た同期
みんな自分の夢を追って来たこの大学
それが今日で終わるとなると少し寂しい
高校3年間と大学4年間、共に学んだ友達
3年の時、
2人とも教師になりたくてお互いに負けまいと2人で走ってきた
周りを見渡しても、
気だるそうな人はいない仕事が忙しいため、
来てる方が珍しいだろうと思っていると、
スマホの通知音がなった
そこには、袴姿の自分と
『似合ってる』
と一言のメッセージが来ていた
ニマニマする緑谷をそっちのけに連絡を返す
リアクションをして連絡を終える
あの家に帰るのは丁度4年ぶりだろうか
卒業してからそこまで時間も経たず出てきてしまったし、その日から帰ったこともなかったため
あの鍵を使うのは久しぶりだ
部屋もほとんどそのまんまで、必要なものしか持ってきてはいない
そう言って2人は離れ始める
『雄英高校でっ!』
スマホをポケットにしまい、前を向いた
マイクは指をさしながら笑っている
今会ってもまた別れるし、
引越しの最終準備もあって大変だろう
何より、今は噛み締める時間だ
つい最近まで、泣きわめく子供だったのに
ヒーローから保護者へ、
保護者から教師へ、
教師から__
目覚しい16年間だった
けれど大人になる、となると寂しくでしょうがない

















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。