第154話

132話
301
2025/01/20 11:52 更新
(なまえ)
あなた
……素敵な名前だね。
七瀬葵
そうかな?
七瀬葵
葵って文字綺麗だから自分でも気に入ってるんだ!
そういって葵君は笑う。
(なまえ)
あなた
それで、どこの公園で話すの?
七瀬葵
すぐそこによさげな公園知ってるんだ!!そこにしよ!
私の手を彼が引っ張っていった。
そこは特に何もない公園だったけど謎に安心感があった。
夕日が二人を静かに照らす。
七瀬葵
あなたは好きな食べ物とかある?
(なまえ)
あなた
好きな食べ物……
何だっけ、昔兄さんが持ってきてくれたお菓子…
(なまえ)
あなた
……金平糖。
七瀬葵
あ!それ僕も好き!!おいしいよね~。
笑ながら私と会話する葵君。
七瀬葵
これ、飲む?
そう言って彼は瓶のようなものを取り出した。
(なまえ)
あなた
これ…
七瀬葵
”ラムネ”っていうんだ!シュワシュワしてておいしいんだよ。
そう言って彼はもう一つのラムネを開けて飲んだ。
私もそっとあけて口付ける。
(なまえ)
あなた
!おいしい…
七瀬葵
ふふ、よかった。
沈黙が少し落ちる。
たった数秒なのにそれが凄く長く感じられた。
(なまえ)
あなた
あの...(同時)
七瀬葵
あのさ…(同時)
(なまえ)
あなた
あ、先いいよ…
七瀬葵
ありがとう。
七瀬葵
あなたはなんで……自殺しようとしたの?
(なまえ)
あなた
……
(なまえ)
あなた
死にたくなったからかな。
七瀬葵
何で?
(なまえ)
あなた
私が生きてる価値なんてないから。
七瀬葵
……
七瀬葵
何でそう思うの?
(なまえ)
あなた
……
(なまえ)
あなた
大事な人を、私のせいで死なせてしまったから。
言うはずのなかった言葉が口からこぼれる。
ラムネのビー玉がカランッと揺れた。
隣から返答はない。
だからか私は責めるように話してしまった。
(なまえ)
あなた
私のせいで死んだんだよ、死を持って償うのは当然じゃない。
七瀬葵
...それは...
(なまえ)
あなた
何が違うの?
(なまえ)
あなた
私は当たり前のことを言ってるだけだよ?
七瀬葵
……
(なまえ)
あなた
……
再び沈黙が二人を包む。
嗚呼、また人を気づつけてしまった。
折角私みたいな人を助けようとしてくれたのに。
七瀬葵
……じゃあさ、僕のために生きてよ。
(なまえ)
あなた
……え?
予想外のことを言われて思わず顔を上げる。
七瀬葵
死んでもしてしまったことは許されるかわからないじゃん?
七瀬葵
だったら、僕を生きる理由にして生きてよ。
彼の目には強い光があった。
(なまえ)
あなた
多分、依存しちゃうよ...
七瀬葵
別にいい。
七瀬葵
僕にもね、家族なんていないんだ。
七瀬葵
みんな僕のことを道具としてしか見てない。
七瀬葵
それだったら依存された方がいいに決まってる。
七瀬葵
ねえ、あなた。



七瀬葵
一緒に新しい人生を始めようよ。
(なまえ)
あなた
……
葵君が私に向かって手を差し出す。
いいのかな……この手を握っても。
また迷惑をかけたりしないかな……
でも……私は…
(なまえ)
あなた
うん……!
新しい人生を生きてみたい。

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