そういって葵君は笑う。
私の手を彼が引っ張っていった。
そこは特に何もない公園だったけど謎に安心感があった。
夕日が二人を静かに照らす。
何だっけ、昔兄さんが持ってきてくれたお菓子…
笑ながら私と会話する葵君。
そう言って彼は瓶のようなものを取り出した。
そう言って彼はもう一つのラムネを開けて飲んだ。
私もそっとあけて口付ける。
沈黙が少し落ちる。
たった数秒なのにそれが凄く長く感じられた。
言うはずのなかった言葉が口からこぼれる。
ラムネのビー玉がカランッと揺れた。
隣から返答はない。
だからか私は責めるように話してしまった。
再び沈黙が二人を包む。
嗚呼、また人を気づつけてしまった。
折角私みたいな人を助けようとしてくれたのに。
予想外のことを言われて思わず顔を上げる。
彼の目には強い光があった。
葵君が私に向かって手を差し出す。
いいのかな……この手を握っても。
また迷惑をかけたりしないかな……
でも……私は…
新しい人生を生きてみたい。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!