一度状況を整理しよう
全く状況が読めない
これに限る
もう一度声を出すが変わるわけもなく、消えていくだけ
目の前には数人の人がいる
突然現れた私に驚いているらしい
首に感じる冷たい感覚。刀を添えられた
少しでも怪しい動きをした瞬間には私の首はないだろう
この人早いな、私でも反応できなかった。呆然としていたこともあるが
そういえば怪具ホルダーに戻していなかったな、と手元の短剣に視線だけを向ける
「それ、あなたたちが言えます?」なんてことはもちろん言わない
この傷だらけの人は『不死川』と言うらしい
多分強い。が、とりあえず首から刀は外されたので良しとしよう
誰も喋らない
そこに、聞き慣れた着信音が響いた
和風な羽織と刀と日本語
明らかに時代が違う気がするが、日本ではあると思う
はたと気づく。そういえば電波が繋がる
バッテリーは100%、電波は繋がる。とりあえず、スマホがあればそれなりに生きていけるはず
申し訳ないが容赦なく切らせてもらう
あとで余裕があったら掛け直すから
さて、人間は第一印象が大事である
視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報が7%
つまり──
にこやかに落ち着いて話していれば、それなりの好印象を与えられる
この状況からそうなるとは限らないが
……いつまでこうしていればいいんですか
普段は必要以上に表情は動かさないのだ
寮の舞踏会やらなんやらで培ったとしてもこれは疲れる














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。