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第1話

#懲役100秒🐻
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2020/04/18 23:37
今日はたろぴとお泊まり会。

ようやく初々しさも消えてきた3ヶ月目だけど、未だに解禁されてないのが…


「あなたー!お風呂入ろ!!」
…そう、お風呂。

だって、お風呂なんて一人で入るもんでしょ?

だから、

『私洗い物してるからたろぴ先入ってて〜!』

っていつも誤魔化してる。

それで、いつもなら「わかったー、洗い物ありがとね!」って言ってくれるんだけど…
「…」

そう、今なぜかたろぴは私をじいっと見つめてます。

『…たろぴ?先入ってていいよ…?』
「いや、今日は一緒に入りたいから待ってる」
『え…?』

これはピンチ襲来。だってもう言い逃れ出来ないもんね…
どうしよう…どうしよう…なんて考えながら洗っていたらお皿ももう残すは2枚。




「はい、お皿洗いありがとね!お風呂入ろ?」
『う、うん…』
「ん?なんかあった?俺と入るの嫌?」
『ち、ちがっ!そうじゃなくて…』
「んー、それか恥ずかしいっ!!とか?笑」
『そ、そう、なの…』
「んん、そっか。無理はしなくていいよ?俺ももうちょっと我慢できるからさ」
『……よ?』
「んん?なんて?もう1回言ってもらっていい?」
『いいよ?たろぴと一緒に入ってもいいかな…?///』
「やっば、それ可愛すぎるよお嬢さん」
『え?』
「あーもう、無自覚に可愛いのほんとに危ないんだからねっ?」
『か、可愛くなんかっ!』
「いいのいいの、事実はちゃんと認めなさい!笑」
『あ、えと、じゃあ先に入ってるから5分後に入ってきてくれる…?』
「お易い御用」
『ふふ、なんかのそのキャラ笑』
「さあさ、行って参ろう」
『笑笑』
たろぴならなんだか大丈夫そうって思えてきた。
なんでなのかはいまいちよく分かってないんだけどね笑





「あなたー?入っても良さそ?」
『あ、うん!大丈夫だよ!』
「んじゃあ、失礼しまーす」
ガチャと音を立ててドアが空いたと同時に、たろぴが入ってきた。
たろぴってほんとムキムキだなあ…
「ちょっとちょっとお嬢さん、恥ずかしいからそんなに見ないでよ笑」
『あっ、いや、ごめん…たろぴムキムキでかっこいいなあって』
「んもお、可愛すぎる笑んで、なんであなたはずっと背中しか見してくれないの?」
『そ、それは…やっぱり…恥ずかしいじゃん?』
「まあ、そりゃあそうだよね…笑」
んじゃあ、入りまーすって言って、ちゃぷんとたろぴが湯船に浸かった。
「あったかいねえ」
『うん、私そろそろ出よっかな…?』
「えー、早すぎるよ、もうちょっと!!」
『だって…』
「そんなお嬢さんに懲役100秒を宣告します!!」
『懲役100秒…?』
「そう、肩まで浸かって100まで数えて?」
『…わかった』
「さあ、一緒に?いーち、にーい、さーん、よーん…」
50まで来たところで、ふと背中に温かみを感じた。


たろぴがぎゅうってしてくれたんだってすぐにわかったよ、だってゴツゴツだもん笑
『ごじゅう、ごじゅ!?』
「ん?どした?ちゃんと数えなきゃ森本刑事怒っちゃうよ?」
『ああ、そっか、怒られちゃうもんね、ごじゅういち、ごじゅうに、ごじゅうさん…』
たろぴに後ろからぎゅうってされながら入るお風呂は、いつもより遥かに癒しの効果があった気がする笑
『きゅうじゅうはち、きゅぅじゅうきゅう、ひゃーくっ!!』
「はい、OK!出よっか」
『うん!』
『あ、そうだ森本刑事?』
「どうしたのかね?あなたさん」
『あなたに無期懲役を言い渡します!』
「…ん?俺ずっとお風呂?笑」
『ちーがーう、これからもずっと私のそばに居てね?ってこと!』
「…それはプロポーズと受け止めてよし?笑」
『いや、それは違うけど笑』
「なあんだ、そっか、安心しな?俺はずっとあなたから離れないからね?」
『わあ、ちょっと離れてください!暑い笑』



たまにはこんな日もあっていいかなって思えた金曜の夜

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