昼休み

心操
(…転校生は馴染めるか?)

ノートン
ねーね、心操くん。

心操
…?

ノートン
突然ごめんよ、イライたちは向こう行っちゃって…
一人で食べるのも寂しいから、こっちで食べていい?

心操
嗚呼、いいけど…

ノートン
感謝するよ。
ゆっくりと、心操の隣の席へ座る。

ノートン
…日本のご飯はこんなに美味しいのか。

心操
…そうか?

ノートン
うん、美味しいよ。

心操
ふぅん…?

ノートン
美味しいよ、僕は今までそんなに食べれたこともないし。

心操
どんな環境で育ったらそうなるんだ…?

ノートン
だいぶ貧しいところで育ったものでさ。

ノートン
まともなご飯なんて食えたものじゃない。

心操
…そうなのか?

ノートン
そうだよ、案外しんどかったな。

心操
…どんな環境だったのかは知らない。
だけど、大変だったのは伝わった。

ノートン
ま、日本の常識もそんなに詳しくないからさ。
良ければ教えておくれよ。

心操
俺でいいのなら教えてやるよ。

ノートン
お、いいのかい?
感謝するよ。
その会話を遠巻きに見ている人達は…

イライ
良かった、彼がやっと話せる人を見つけたみたいで。

イソップ
…昔に比べて、笑顔は増えたけど。
抱えることは余計に無くならないね。

八百万
あら、そうなんですの?

イライ
彼は昔から人が寄ってこない子だったからね。

ナワーブ
雰囲気もあるんだろうがな。

爆豪
ケッ、

爆豪
信用ないだけじゃねぇのかよ。

緑谷
ちょっとかっちゃん!失礼だよ…!

轟
…なあ、一つだけ気になったんだが。

イライ
どうしたんだい?

轟
ノートン、何か妙なんだ。

イライ
…それはどういう?

轟
あいつの中に、別の何かが居る気がして。

切島
それって多重人格みたいなやつ?

イライ
それは今後わかるんじゃあないかな?

お茶子
な、なんでそんなことわかるん?

イライ
私の個性は少し特殊だから、あまり口外してはいけないのだよ。

イライ
私の個性も、今後ゆっくり教えてあげる。
ただし、A組以外には言わないこと。

お茶子
う、うん…!
そんな中、バンッ!と扉が開いた。

ルカ
やぁやぁ諸君、私だ。

イライ
ルカ、遅かったね。

ルカ
いやぁ、始発に乗ったつもりがいつもより遅くなってしまったよ。
時差というものは恐ろしいものだね。

ナワーブ
ルカ!遅かったじゃねぇか。
待ってた。

ルカ
すまない…私としたことが、時間を確認するのを忘れてしまったよ。

轟
…?

ルカ
改めて自己紹介を。
私はルカ、ルカ・バルサー。
発明家、として活動はしていないが色々発明はしているよ。

緑谷
すごい、発明家なの?!

ルカ
まぁ、困ったことがあれば頼ってくれたまえ。
手助けできることはしようじゃないか。

緑谷
わぁぁ…!

ルカ
お、あんなところにキャンベルくんじゃないか。
あの子、やっと人と話せるようになったのかい?

イソップ
うん、やっとだよ。

ルカ
それは良かった。
私としても、心配の種だったのだがそれが芽吹いた様で何よりだ。

ナワーブ
今昼時だからさ、ルカもなんか食えよ。

ルカ
お、じゃあフルーツサンドでも食べようじゃないか。

イライ
意外と甘いもの好みますよね、ルカ。

ルカ
私は甘いものがなければ、発明もできないのでね。

ルカ
糖分という成分は必須なのだ。

蛙吹
あら、不思議な人達が増えてるわ。
よろしく。
私、蛙吹梅雨よ。梅雨ちゃんと呼んで。

イライ
おや、いいのかい?
じゃあ梅雨ちゃん、これからよろしく頼むよ。

ルカ
そんなことよりもだ!
キャンベルくんの隣の生徒といい雰囲気を醸し出している、あのキャンベルくんの隣!

ルカ
名はなんというんだい?!

イソップ
あの子、心操人使。
ノートンと雰囲気は似てなくても、どこか似ている気がしてる。

ルカ
なるほど!
彼らはお似合いじゃないか!

イライ
ルカ〜?

ルカ
ぅぐ、そんなに圧をかけないでおくれよ。

ナワーブ
俺アイツの親友だけど絶対認めねーからな。

轟
?

轟
ナワーブはノートンが好きなのか?

ナワーブ
ばっか違ぇよ!

ルカ
図星じゃないか、サベダーくん。

ナワーブ
うっせばーか!

蛙吹
照れ隠し、というやつかしら。
可愛らしいわ。

ナワーブ
だああああ!

イソップ
うっさい。(峰打ち)

ナワーブ
うぐぉっ…

イライ
こらこら、イソップ。
そんなことをしてはいけないよ。

ルカ
あっはっは、変わらずで何よりだ。
二人に戻ると…

心操
なんか増えてないか。

ノートン
嗚呼、ルカの事?

ノートン
気にしなくていいよ、あの子は元々アレだから。

ノートン
でも、天才発明家なのは事実なんだよね。

心操
…ふぅん?

ノートン
心操、何食べてるの?

心操
ん、普通の弁当だが。

ノートン
それが弁当なんだ、不思議な色合い。

心操
…なんか一つだけ食うか?

ノートン
え?!いいのかい?!

ノートン
じゃあその、茶色の…

心操
唐揚げか。どーぞ。

ノートン
んむっ…んぐ…おいひい…

心操
それは良かった。
また、ルカ達に戻ると…

ルカ
なんだあの雰囲気は!素晴らしいじゃないか!

イライ
出てるよ、オタク出てるよ。

ルカ
素晴らしい顔をするじゃないか!
キャンベルくん、君は幸せになるべきだ!

イソップ
…もうどうにでもなれ。
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第3話 ある鉱夫の話
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。