朝礼が始まったけど、なんだかみんなそわそわしてて落ち着きがない気がする。
そりゃ転校生なんてみんながわくわくするもんね!
先生が「入っていいぞー」っていうお決まりのパターンをして。
人が入ってきた。
___え?
入ってきた人が衝撃的すぎて思わず絶叫してしまい、クラス中の視線が俺に集まる。
いやいやいやだってだってだって、、、
どっからどう見ても、いるまだから!
結局知り合い(ってことになってた)なので隣の席にっていう少女マンガみたいな展開になってしまった。
しょっぱなから思いっきり絶叫しちゃったしだいぶマイナスイメージなんだろうな、、、気まず。
技術部の部室で、延々とパソコンのキーボードを叩いて小説と思われるものを書いている緑髪の先輩。
掲示板に貼られた生徒会選挙の立候補者のポスターを黙々と、だけど笑顔で貼ってる金髪の先輩。
下校中に戦いごっこしてる2人の男の子。
そういう何気ないことが、すごく嬉しいんだ。
カバンから、例の林檎を出す。
そして、公園のゴミ箱に捨てた。
なんで転生林檎が都市伝説のままなのか分かった気がする。
たぶんみんな、転生が終わる___シラフに戻ったら俺と同じように、やめてくんだ。自分が自分らしくいるために。
この世界には6つの世界___パラレルワールドが存在する。
日本語で並行世界。
その名の通り、その世界どうしが交わることは決してない。
でも、それぞれの世界のそれぞれのメロディは、どこかで交わることもあるのかもしれない___。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!