シェアハウスの音楽室。
ギターの練習中に突然あなたが入ってきた。
俺とあなたは所謂、幼馴染というやつで。
高校では良い子ぶりっこしてるみたいだが、俺の前では少し口が悪くなる。
俺でストレス発散でもしてるんか…?
何にせよ、わざわざやって来たクセに、あなたは隅っこの椅子にただ黙って座っている。
それは今に始まったコトでもないので気にせず俺はギター練習を続ける。
♪〜
暫くはギターの音だけが鳴り響く。
珍しい、とは言ったものの、
あなたはいつも、落ち込んだり、思い悩んだりするとココへ来る。
俺も大体はココかサンルームで絵を描いているので鉢合わせるコトが多い。
というより、サンルームにもこいつはやって来る。
無意識に同郷を求めてるのか知らんが、たまになおきりさんに見つかると、暫くの間、寮で物凄い剣幕で睨みつけられる事があるからやめてほしい。
なので俺からは普段あなたに、必要以上に絡むことはほぼない。
♪〜
ボーッとしてるかと思えば時々ため息を吐くあなた。
俺はあなたを無視してギターを弾き続ける。
♪〜
俺が歌い始めると、決まってライラは横にあるテーブルに突っ伏して目を瞑る。
♪〜
俺が歌い終わって息を吐くと、あなたが呟いた。
うりは歌ってれば声は良いのに…とか何とかボソボソ言ってるあなた。
あなたは少しだけ照れくさそうに、小さくツッコんだ。
♪〜
俺はまた、変わらず歌を歌い続ける。
♪〜
♪〜
笑い出したあなたは放っておいて、また初めから俺は歌う。さっきより喉の調子がずっと良い。
これでいい。俺達はこれで。
なおきりさんにどんなに睨まれようと
俺達のカタチはこれが良い。
安心しろよ、なおきりさん。
アンタがコイツの笑顔を守りきれなかったとしても
コイツには俺がついてるから。
しょうがないから、その恋人役はくれてやる。
でも、俺は
この幼馴染だけは、奪われるつもりは毛頭ないから。
俺はずっと、変わることない愛で
あなたと永遠離れない。
そう誓ったんだ











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!