第4話

3 状態
19
2024/07/01 20:00
少し、前に遡る。
暗く、光の無い場所で目覚めた。
何も見えない。動けない。思い出せない。
そんな場所だった。
……どこ、だよ…うるみやは…!?
俺、車に跳ねられて…意識、無くなったんだっけ。
……え、タヒんだ!?
…いや、でも馬鹿痛いし…………。
ここ、天国、なのかな。
いや、動けないし地獄か……ワンチャン、走馬灯的な…?
天国か地獄なのかは置いといて。
本当にタヒんだのだろうか。
タヒんでいたのなら、かなり荒れた状態だろう。
………うるみやが…それに、メンバーも……。
俺、これでもクロノヴァのメンバーなのにな……。
そんなことを考えているとき、ガラガラガラと音がした。
数人の足音と共に誰かが近づいてくる。
声からして………れむち?
…タヒんでないの、俺。
じゃ、じゃぁ、なんで
動けないの?話せないの?見えないの?
早く大丈夫だよって言わないといけないのに……!!
心配すんなって、すぐ治るって……!!
なのに、なんで……?
さっきまで分からなかったが、看護師さんも居るらしい。
その人が、説明しはじめた。
説明されても、理解できそうに無いんですけどねぇ……、
え~っと何々?
大量出血?脳いかれてる?傷深い?内臓タヒんだ?
ヤバイやん……。
よく生きてたな、俺。
……生きてんのか…?
そして、聞こえた単語。
植物状態、遷延性意識障害……、
な に そ れ( ´・∀・`)
看護師さんが言うには、
生きてはいるが、生きているだけ。
動けない。意志疎通も出来ない。
らしい。
この状態から、
生還している人は少なく、情報があまり無いらしい。
……そういう感じね、ほぼタヒんでる、と。
甘夢 れむ
………な、なんとか…ならないんですかっ…!?
はい、れむち…意外と落ち着いてる…!!
俺がタヒんでも……こんな落ち着いているなんて…
偉すぎる……!
やっぱすごいわ、…やっぱれむちだからね!((
甘夢 れむ
(なんか…変なこと言われてる気がするんだけど…?)
看護師
時間が経って見ないとわかりません。
甘夢 れむ
……そっ…ですか……
やっぱすごいな……
俺もあんぐらいになれるかな……((
それから多分、数分話し、
看護師さんが出ていった音がした。
うわぁ、結構ヤバイよ…。
黙るのやめて貰えます???
気まずさMAXなんですけど。
………、本当に気まずいからさ!?
ねぇ!?
しゃべれないってことは一生一人で歌ってろってことやろ!?
ダルいって!!
もう、誰か返事してよ~!!
なんて、痛さや怖さを紛らわすために一人で話し(?)ていた。
すると……誰かの手…か何かが頬に触った。
………冷たぁッ!?
え、何そういう感覚あるの?っていうか誰?
霜焼けなってない?大丈夫?
………え、何か言ってよ………え、大丈夫そ?
タヒんでるのか……?
あ、タヒんでるの俺だわ…。
というか感覚はあるんだな。
聞こえる以外何もないのかと思ってた。
ま、痛み感じるしそういうもんなのか。
しの
……ねぇ、みんな、?
…その“みんな“に俺は含まれているのかな…。
甘夢 れむ
……なに…?
ARKHE
なんだ?
しの
……っこれから、どうするの……?










3.状態(しゃるろSide)[完]
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