紅の灯が 、ゆるやかに揺れている 。
花魁の座敷は静かで 、香だけが 饒舌 だった 。
らんは扇子で口元を隠し 、目だけで笑う 。
その笑みは女めいて艶やかで 、 余裕を装う
というより 、余裕そのものだった 。
先程まで浮かべていた 、余裕のある艶やかな
笑みは消え 、らんはむっとした表情でそう言った
俺は 、そんならんから視線を逸らさないまま 、
ほんの僅に口角を上げる 。
そう言いながら 、らんはわざと扇子を下ろす。
淫らに はだけた 胸元が 目に映る 。
そうぽつりと呟いて 、らんはくすりと笑い 、
視線を絡める 。
低く 、抑えた声で そう言う 。
らんと視線を絡めながら そう言うと 、
一瞬 、らんの笑みが止まる 。
短い沈黙 。
らんの好きな甘ったるい香の匂いが 、
さらに濃くなる 。
らんは身を乗り出して 、囁き 、
扇子の先で 、俺の胸元をなぞる “ ふり ” をする。
頬を紅く染め 、袖の端をもてあそび 、
目を伏せて微かにそう呟くらん 。
俺は 、思わず くく っと低く笑った 。
袖の端をそっと揉み 、ずっと俺を映していた
桜色の瞳に 、畳を映すらん 。
唇の端を僅かに上げ 、喉を鳴らすように
笑う 。
俺が持っていた扇子を床に置き 、音が消える 。
紅い灯が 、俺らの影を濃く重ねた 。
らんの両手首を片手で押さえつけ 、
はだけた 胸元から手を入れる 。
躰を触りながら 、口付けをする 。
しばらくらんの口内を自身の舌で弄っていると 、
らんが全身を捩りながら抵抗を始めた 。
らんのキッと鋭い視線が俺を貫く 。
俺がそう言うと 、らんは肩をビクッと震わせ 、
視線を泳がせた 。
そして 、伏し目がちに口を開く 。
そんな 会話 をしつつ 、
帯びやら 着物やらを解き 、穴を弄る 。
以外にも 、らんの後孔は いい具合に湿っていた
らんの意外な事実に 、俺が忍び笑いをしていると
らんが 、足で 俺の腹を思いっきり蹴り上げた 。
俺のマラが らんの奥 まで挿った 瞬間 、
らんが快楽に躰を震わせながら 俺に 腕と足で
抱きついてくる 。
一際 大きい悦楽に呑まれたのであろうらんが 、
腰を振って快楽を逃げさせながら 達する 。
女とは違う 締まり具合に 、少しだけ興奮して
らんと同じタイミングに俺も達した 。
目を閉じ 、眠りにつきながら感じているらんに
目を奪われる 。
いつもならまだ物足りなくて またするが 、
今はらんがへばってしまっている為 、我慢をする
──────────
やがて 、遠くで朝を告げる音がする 。
その声は 、また 花魁 としての仮面を被り直した
その真っ赤な顔が何よりの肯定だ 。
なんて言うと 、また口論が始まりそうなので
グッと我慢する 。
らんは一瞬だけ黙り 、そして 、いつもの余裕を
取り戻した笑みを浮かべる 。
それでも 、否定しなかった 。
紅の灯が消えても 、香と気配だけは残る 。
その言葉は、俺にとって、十分すぎるほどだった。
『らん』の一人称に含まれた意味
・仮面:わたくし(客前・余裕)
・揺れ:わたし(動揺・照れ)
・決壊:俺(素)
・朝で再び仮面に戻ることで余韻を残す














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!