凛side
見て分かるほど赤らむ頬を必死に隠して、
あなたの嘘に困惑する。声も出ない。
真に受けちゃいけないのは分かってる。
でも、初めてあなたが俺に対して、
気の知れた人にしか言えないような言葉を放った。
寿命が縮まるくらいの心音をかき消して、
平然を装いあなたの「彼氏」のフリをする。
あなたの声がやけに明るく聞こえた。
もし、俺が本当の「彼氏」だったなら、
ここで躊躇せずあなたを思い切り
抱き締めることができたのだろう。
ハグのもっと先、カップルがすること___
あなたの柔らかい唇が脳裏を過ぎって、
また 顔から火が出るくらい赤面してしまった。
あなたとなら、初キスがレモン味じゃなくても、
ストロベリー味でも、雨水でも、泥でも、嬉しい。
あなたの本命でありたい。本当の彼氏でありたい
俺が目指しているのはあなたと
付き合うことじゃない。
小さな頃から心に決めていたあの約束。
俺はあなたと、恋人のその先へいきたい。
誰も知らないところで、また凛の夢は大きく膨れ上が り、激しく燃え始めた。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!