時は3年程遡る
20○○年○月○日○曜日
如月 輝龍……
県内トップクラスの不良グループ総長……
まずは、周りの幹部に勝たねぇと!!
ドゴッ
1戦目は一瞬で勝負がついた……
ドスッ
先手を打ったのは幹部だった
しかし、とっさに腕で顔面をガードして
何とか、ヒットは免れる
ボスッ
その場に鈍い音が響く
一瞬の隙を見逃さず
腹に思いっきり拳を叩き込む
その後も順調に、勝ち進み
遂に残るは総長のみとなった
総長はそう言うと素早くナイフを構えた
数秒間
周りの時間が止まったように思えた。
いきなりというか、恐らく俺が総長の接近に
気づかなかったせいで避けるのが遅く
ナイフが腹をかする
ドンッ
俺的には自分の中での最大のパンチをしたつもりだったが……
それも総長の前では無力のパンチだったようだ
総長に当たったのにも関わらず
総長はビクともしない
シュッ
これが、俺の最初の敗北というものだった……
負けたのが悔しかった
今まで、負けたことが無かったから……
そして、1ヶ月後俺は
とある剣術家の道場を訪れていた……
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!