中学1年のときから様子がおかしく、何度も学校での様子を聞こうとしましたが答えてくれませんでした。返ってくるのは無理矢理の笑顔だけ。
私達が達した結論は、あなたがそこまで話したくないことだから無理に問いたださない、ということでした。無理に聞かなければいつかあなたの方から話してくれる、と過信してしまっていたのかもしれません
ですがそれからあなたは口数も減り、笑うことも…なくなりました。
事件が起きたのは、あなたが中2のとき。その日は雪が降りしきる真冬日でした。
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(回想です)
カチッ カチッ 時刻18:00
執事1:…お嬢様、帰りが遅くありませんか?
羽留:ええ…。
執事2:何かあったのでは…?
執事3:車を出しますか?
羽留:そうね。行きましょう。
ブロロ………
教師:竜宮さんなら…帰ったと思いますが…?教室の見回りでも誰もいませんでしたし…
執事:、、、ッッッ
羽留:念の為校内を探させていただいてもよろしいですか?
教師:え、ええ
”あなたー!”
ガラッ
執事1:…!?!?!?誰か!!!誰か!!!
羽留:ダダダッ
一同:・・・・!?!?!?
羽留:あなた!?あなた!!!!!!!
…救急車。早く!!
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羽留:あなたは体育館倉庫で…下着だけ身につけ…倒れていました。私達が駆けつけたときには意識はなく、全身に…無数の痣がありました。あなたはすぐさま救急車で運ばれ、その日は入院となりました。
一同:・・・ッ
及川:すみません…容易に聞こうとしてしまって…
羽留:いえ、いずれお話することになったでしょうし。
羽留:幸いにも凍傷ほどですみ、命に別状はありませんでしたが…
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あなた:んん………
執事2:お嬢様…!
あなた:…どこ…ここ…?
羽留:…何があったか、話してください。
あなた:…
羽留:あなた。黙っていては分かりませんよ
あなた:なんでも…
羽留:なんでもないわけないでしょう!何があったの!誰にy
執事1:羽留。落ち着いて。
羽留:ハッ
あなた:………ポロ
執事:私達は一旦外に出ますね。羽留、任せるよ。
羽留:はい…。
パタン
あなた:…私が…気にくわなかったんだって
羽留:…
あなた:私が金持ちのとこの子だから…勉強だってずるしてんだとか…それでモテてたから…だから…我慢できないんだってさ。私が良い生活をしてるのが…。
羽留:あなた…
あなた:何があったかは…分かるでしょ。体育館に呼ばれて 最初は女子たちがなぐってくるだけだったんだけどさ…途中でOBの人たちが来て…
羽留:話したくなかったら…話さないで
あなた:…その人達…酔っててさ。いきなりすごい強さで抱きつかれて……
羽留:あなた、もういい。今頃捕まえてくれてるだろうし
あなた:羽留……遅いよ…来るの…
羽留:ごめん…ごめんね………怖かったよね…
ギュ
あなた:!?バンッ
羽留:…え…?(すごい震え…)
ご、ごめん…
あなた:ハァッッッハァッ
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羽留:あなたは精神ケアなどもして、段々と回復し、転校したところでは楽しそうに過ごしていたのですが…そのことがあってから、男子を意識的に避けていました。
ましてや…ハグされるなんて以ての外です…
黒尾:……ッッッ俺…
羽留:いえ、先に言っておかなかったこちらのせいですし、症状は一時的なものですので…
黒尾:…………
羽留:どうか、以後あなたと接するときは、このことを頭の隅に入れておいてください
及川:あ、ありがとうございます…教えてくださって…
?:俺も、関係者。
一同:!?!?
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。