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第1話

『筋肉は裏切らない、ただし材料はいる』
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2026/04/08 13:32 更新
健太
健太
なんでだよ⋯⋯毎日腕立てしてるのに、全然かわらないじゃん
語り手
腕は細いまま。胸筋もペラペラ。努力はしてるはずなのに、成果が見えない
男
それはな、"材料不足"だ
語り手
振り向くとそこには筋肉の塊のような男が立っていた。どこから入ってきたのかはわからないが、とにかく説得力だけは異常だった
健太
健太
材料⋯⋯?
男
そうだ。筋肉ってのはな、壊しては直して強くなるんだ。その直す時に必要なのがタンパク質だ。
語り手
健太は首をかしげた。
健太
健太
え、運動してれば勝手に筋肉つくんじゃないの?
語り手
男はゆっくり首を振る
男
運動はきっかけにすぎない。筋肉ってのはな、トレーニングで一度傷がつく。そして体はそれを修復する。その時タンパク質が足りてないとどうなると思う?
男
⋯⋯元に戻るだけ?
男
そうだ。もしくは、ちゃんと戻りきらない
語り手
健太は言葉を失った。
健太
健太
つまり俺は、ずっと"壊してるだけ"だったってこと⋯⋯?
男
そういうことだな
語り手
男はプロテインシェーカーを差し出した。
男
筋肉は裏切らない。ただし、材料を与えた者に限る
語り手
次の日から、健太は食事を変えた。鶏むね肉、卵、納豆。最初は味気なかったが次第にそれが"自分を作るもの"だと実感し始める
語り手
そしてトレーニングも続けた。
語り手
数週間後
健太
健太
⋯⋯ちょっと、変わってきたかも
語り手
腕にうっすらと浮かぶ筋肉。確かな手応え。
語り手
あの男の言葉が、頭に浮かぶ。
男
壊すだけじゃダメだ。作るための材料を入れろ
語り手
健太は静かに頷いた。
健太
健太
筋肉って、ちゃんと理由があって成長するんだな
語り手
その日も彼は、黙々と腕立てを続ける。
語り手
ただ回数をこなすだけではない。自分の体を理解しながら、少しずつ強くなっていく。
語り手
筋肉は裏切らない。
だがそれは、努力と栄養がそろった時だけの話だ。

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